若者に薦める「GHQ焚書図書開封」

私は日本のSNS(Social Networking Service)で最大の会員数をほこるMixi(ミクシー)に入会して5年たちもう6年目に入っている。10~30代の若いネットフレンド(ミクシーではマイミクと呼んでいます)がずいぶんと増えました。私の一番若いネットフレンドは、現在大学受験中です。入学したら会うことになっています。彼とは鹿児島県の高校時代からネットでやりとりし、政治家志望です。日本の政治を変えてみせるから元気で長生きしてくれとうれしいことを言ってくれる青年です。女子高時代に私に歴史の質問をしてきた女性は、現在大学で就活中です。大学生時代にネットフレンドになりこの4月には中学校の国語の教師になる人もいます。大学在学中にレポートの話をもちこんできた大学生は、現在サラリーマンになってもう2,3年たつ。30代でネットフレンドになった人の中にはそろそろ40代に突入かという人もいます。私のブログを管理しているネットフレンドはもう40前後になっているのではないか。この他にも私には沢山の若いネットフレンドがいます。ネットを通じて実際に会ったネットフレンドは20人を超えているでしょう。そしてほとんど皆私のブログ愛読者です。実にありがたいことだと思っています。私はこれまでこの若い人たちに向かってこの本だけは読んでほしいと力説した本はありませんでした。

しかし今回は若い人には、どうしても読んでもらいたいと思う本があるのです。西尾幹二氏著「GHQ焚書図書開封」(徳間書店)です。現在この本は4巻まで発売されていますが、もうじき五、六巻が発売される予定です。この本は私のような年輩の保守層にはよく読まれていると思います。しかし私のような年配者はあと10年、すくなくともあと20年すれば此の世に存在しないのだ。もしこの本が若い人にあまり読まれないまま終わったら、この本のことは世間から忘れられ、日本の近現代史の一部が完全に隠されてしまいます。それほど重要な本なのです。

そこで少し長くなりますが、この本が出版されるまでのいきさつを語ります。私のブログ記事を読む人には10代の方々もおりますのでまず言葉の説明から始めます。まず「GHQ」とはGENERAL HEADQUARTERSの略です。大東亜戦争で負けた日本は、アメリカ占領軍の統治を受けました。統治期間は7年間、正確には6年10ヶ月です。その間日本占領当時に実権を握っていたのがアメリカ占領軍総司令部(GHQ)です。その最高司令官がマッカーサー元帥です。「焚書」(ふんしょ)とはなにか。支那の古い言葉に「焚書坑儒」という言葉があります。秦の始皇帝が行った思想弾圧です。始皇帝は、自分に反対する儒学者を生き埋めにして殺し(坑儒)、儒学者の書いた本を焼き捨てたのです(焚書)。この言葉の説明で容易に想像できるようにアメリカ占領軍は、占領期間中に坑儒はしませんでしたが、焚書をしたのです。実際には焼き捨てはしていませんが、没収した本をパルプ原料にし、学童用の教科書に再生利用した。私たちはこれを焚書と呼んでいます。ここで読者の皆さんに区別していただきたいのですが、「検閲」と「焚書」とは違うということです。GHQ(アメリカ占領軍総司令部)は、昭和21(1945)年9月から占領期間中の新聞、雑誌、映画、放送内容などいっさいの刊行物の検閲をした。当時はなんでも出版を企てる者はコピー2部つくってGHQの承認を得なければならなかった。検閲は承認を得られるように訂正すれば出版はできますが、焚書は戦前、戦中すでに出版された本の没収廃棄です。正確に言うと昭和3(1928)年1月1日から昭和20年9月2日までの間に約22万タイトルの刊行物が日本で刊行された。その中から9千288点の単行本を選びだして審査にかけ、うち7千769点にしぼって「没収宣伝用刊行物」に指定して没収廃棄して日本国民に二度と読ませないようにしたのです。簡単に7千769点の本と言いますが、仮に各本が千部没収さてとすると合計7百76万9千冊という膨大な本が没収されたことになります。

現在、GHQによって焚書された7千769点の本の題名や作者名は全部わかっています。これらの本の中に「侵略」という文字が使われた本が30冊近くあります。その全部をリストアップすると、
昭和6年刊 : 「満蒙に於ける列強の侵略戦」 長野朗
昭和8年刊 : 「阿片禍 英国東洋侵略史」 牛窪愛之進
昭和9年刊 : 「露西亜帝国満州侵略史」 ロマノフ
昭和13年: 「ソ連英米仏侵略の跡を顧みて」 小玉興一
昭和14年: 「ロシア侵略300年」 本山桂川
昭和15年: 「英国の世界侵略史」  斉藤栄三郎
       「白人の南洋侵略史」  柴田賢一
       「欄印侵略史」     デ・クラーク
昭和16年: 「亜細亜侵略史」    高橋勇
       「亜細亜侵椋秘史」   桑原三郎
       「英国の印度侵略を歴史的事実に見る」 高原大輔
       「南洋民族侵略戦」   仲小路彰
       「米国東亜侵略史」   黒木勇吉
       「欧米の対支経済侵略史」井村薫雄
昭和17年: 「豪州侵略史」     班目文雄
       「印度侵略秘史」    ボース
       「東亜侵略隊」     H.・モトラム
       「米英の東亜侵略年譜」 大東亜戦争調査会
昭和18年: 「米英東亜侵略史」   大川周明
       「英国の南阿侵略」   キルヒナー
       「二人の印度侵略者」  太田七郎
       「千島樺太侵略史」   中村善太郎
       「太平洋侵略史」(1-6)仲小路彰
昭和19年: 「米国の世界侵略」   堀内謙介
       「西洋文化の支那侵略史」R・ヒューズ
       「ハリス、ペリー侵略外交顛末」 丸山國雄

戦前戦中に出版され「侵略」という文字がついた本がこれだけあったのです。ということは戦前戦中の日本人は世界史の流れをきちんと解釈していたということです。コロンブスが1492年にアメリカに到着して以来およそ450年間は白人国家による有色人国家侵略の時代です。その450年間に有色人種国家の白人国家への挑戦があった。それが日露戦争であり大東亜戦争なのです。従って戦前戦中の日本で侵略国というのは、欧米諸国とロシアによる白人国家であることを明快に示しているわけです。だからこそGHQは、これらの本を没収し、戦前戦中の日本人の歴史観を抹殺し、逆に日本を侵略国として裁いたのです。従って戦後の日本人の多くが、日本を侵略国家と判断している人が非常に多いという情けない状態がずっと続いているのです。このことは非情に大きな深刻な問題を含んでいます。すなわち焚書というのは、書物を焼かれるあるいは処分されるということは日本民族の記憶と歴史が消され、アメリカの意図どおりの作り変えられた歴史を「真実の歴史」と思いこまされるようになってしまっているということです。現在ニューヨークで支那政府主催のウイグル民族展が開催されていますが、ウイグル人は、支那がかってに作り上げたウイグル民族展を開催していると反対しておりますが,焚書の行き着く先は、こういう状態になるという実に恐ろしい実態が起きているのです。

焚書のため処分された本は、上記だけの本ではありません。先に触れましたように全部で7千769点ですから、それらの本には、政治、文化、歴史、経済、科学、軍事、産業などあらゆる分野に及んでいます。 これらの分野において戦前戦中の日本人は、何を学び、何を考え、何を主張したかなどについて完全にGHQに抹殺されてしまったのだ。抹殺の理由は、先にあげた「侵略本」のように勝利国にとって不都合で不利な情報が満載されていたからです。焚書は、言論出版の自由が保証されている民主主義国が行うには最悪の悪政です。そのためGHQも焚書を徹底して行うことができなかった面があるのでしょう。焚書の対象になった書物が焚書されずに残存している書物があるのです。日本人の中には個人的に長年かけて残存している焚書本を蒐集している人がいます。チャンネル桜の水島総社長もその一人です。彼は一人で焚書約千五百冊を所有しています。その水島氏が焚書について長く研究されている西尾幹二氏に焚書本の紹介番組をつくってみてはどうかと誘い、チャンネル桜での放映を開始、以後平成20年5月末までに23回放映した。それを徳間書店が活字にしてくれてできあがった本が「GHQ焚書開封」です。テレビで放映したものをそのまま本にすることはできません、そこのところ西尾幹二氏が話し言葉を読みやすく工夫してあります。

私が何故若い人たちにこの本を読むことを進めるかその理由を説明します。戦後は自虐史観横行のため、戦後の日本を支配したアメリカ占領軍総司令部(G HQ)の悪行があまり語られていません。GHQには、大きな悪行が三つあります。
1.占領中の相手国の憲法を作ってはいけないという国際法に違反して日本国憲法を作ったこと。            
2.新聞、雑誌、映画、放送の検閲と私信を開封したこと。
3.焚書を行ったこと。

(1)、(2)は語られることは多いが、焚書については語られることが非常にすくない。従って多くの日本人は、GHQの焚書を知らないのです。自虐史観作家の半藤一利の作品に「昭和史、戦後篇(1945-1989)」という本があります。大作です。しかし検閲のことは少しだけ触れていますが、焚書のことは一切触れていません。反日日本人たちは、外国の日本に対する悪行には、度を越した寛容さをしめします。一体こんなバカな国民がどこにいるかというのですか。GHQによって焚書にされてしまった本の作者は、私たちの両親や祖父母にあたる人たちですよ。その人たちが何を考え、何を主張していたかがわかる本の一部が西尾幹二氏の「GHQ焚書図書開封」によって解明されたのです。この本の初刊が出版されたのは2008年です。本来ならこの本は、マスコミに注目されてよいはずです。マスコミは、自分たちの自虐史観を擁護するためにわざと無視しているのです。このマスコミの静けさで思いだすのが敗戦50年後に翻訳出版された「アメリカの鏡・日本」です。この本は、敗戦わずか3年後の1948年にアメリカ人のヘレン・ミアーズ女史がアメリカで出版した本です。敗戦後3年といえばまだアメリカ全体が対日戦勝利に酔っている時です。その時ヘレン・ミアーズは、アメリカ国民に冷や水を浴びせるような歴史観、戦争史観を披露した。当時GHQの最高司令官、マッカーサー元帥は、この本を読んで日本での翻訳出版を禁止した。その本が敗戦後50年にしてようやく翻訳出版されたのです。この本は日本で歓迎され話題になって当然の本が日本のマスコミに黙殺してしまった。自分たちの自虐意史観擁護のためです。私はたまたま本屋を覗いた時、この本に出くわして買ったのです。不幸にもこの「アメリカの鏡・日本」は多くの日本人に知られることもなく、出版社のメディアファクトリー社はこの本を絶版にしています。

私は、この「GHQ焚書開封」を「アメリカの鏡・日本」と同じ運命をたどらせては絶対にいけないと思います。再度力説するが私たちの両親や祖父母が何を考え、何を主張したかの本がGHQによって強制的に処分され我々日本人に読めなくしてしまったのです。その本がまさに開封されて読めるようになったのです。それだけに日本人として余計に読んであげなくてはいけないのではないでしょうか。それには私のような老人だけが読んでもしかたないのです。若い人たちに沢山読まれ続けて初めてGHQによる焚書行為が日本人の常識になる可能性が出てくるからです。これから西尾幹二氏が何巻まで出版するかわかりませんが、少なくとも初刊だけは絶対に読んで欲しいと思っています。初刊は第一章から第十章まであります。一章、二章は、焚書の実態の説明です。第三章から第十章までは焚書本のまさに開封です。その中で圧巻は、アメリカ人が書いた「真珠湾」という本です。焚書本には、日本人が書いたものでなくアメリカ人が書いて翻訳されたものも含んでいたことがわかります。私はもう十年以上前にアメリカ映画、「パールハーバー」を見ました。その時逃げまどう群集にむけて日本軍機が機銃掃射を浴びせる画面がでましたが、私は即座にうそだとわかりました。前に日本人の書いた真珠湾を読んでいたからです。このアメリカ人が書いた本でもそのことが書かれており、私にはアメリカ人の証人を得た感じがしました。
話題はそれますが、大東亜戦争のあらゆる戦場で日本軍は、武士道で戦ったなどと主張するつもりは全くないが、多くの戦場で武士道丸出しにして戦っています。対日戦勝利を確定しているにもかかわらず、無差別空爆を繰り返し、2発の原爆まで落として日本人の殺戮の限りをつくしたアメリカ人の一面を私たち日本人は決して忘れてはなりません。

現在日本でいまだに自虐史観が主流を占めていますが、自虐史観がいかに勝利国寄りの歴史観かを一人でも多くの国民に知らせるためにもこの「GHQ焚書開封」のベストセラー化とまで言わなくても、もっと話題になる必要があります。そのために若い人には、ぜひ、ぜひ読んでもらいたい本だと思っています。

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予告: 次回も若い人むけの記事です。タイトルは、「若者よ、就職難時代をどう生きる?」

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