「つくる会」の将来

「つくる会」の将来

私は、「つくる会」の会長が八木秀次氏であったとき、平成17年8月3日に神奈川県支部会員として採用された。以後、15年間神奈川県支部会員として過ごしてきました。
その間、会員としての内部動向についての本を書いたことがありました。
本の発行日は、平成25年6月15日、本のタイトルは、「保守知識人を断罪す つくる会苦闘の歴史」、定価本体1,500+税、総和社。

平成23年、24年の初めの頃、坦々塾の会合で、西尾幹二先生が私に、「藤岡先生がつくる会」の会員で書き手を探しておられる、私が推薦するから、鈴木さん書いて見ないか?」私は直ぐに喜んでオーケイを出したら、その場で藤岡先生に電話してくれました。
その後、渋谷で藤岡先生に昼食をおごられ、私は文章を書くことを約束し、数日後に彼から送られる書類をまちました。結局書類は何一つ来ませんでした。結局私は、「西尾幹二のインターネット日録」やその他の「つくる会」の会員たち、特に現在、副会長石原隆夫氏、前茨城県支部長、川又和敏氏ら数人の部員から支援を得ました。結局、その後藤岡先生からの連絡は何も入らず、私の文章は完成してしまいました。
出版社、すなわち総和社に渡す前に完了してしまったので、原作文は西尾先生に渡してチェックしてもらいました。結局、西尾先生が最終的にチェックして総和社に渡された。出版後、全部で5部、「つくる会」本部に送られた。「つくる会」の総会がちかづいたころ、私は、鳥越支部長から本部へ呼び出された。話題は、私の本についての話題だった。

出席者は、杉原会長、藤岡副会長、小山、福地、岡野、三理事、鳥越事務局長、6人の出席者に対して、対談者は、私一人だった。話の内容は、いまから7,8年前のことなので、いまではほとんどわすれてしまっています。只今でも忘れないのは、小山先生が、書いた自分のブログでも、鈴木さんが転用しても、私は、了解は与えませんと言うことでした。
私は、「つくる会」の総会日には出席しましたが、私の本の問題点がクリアになっていないからと言って、会場の場で本を売り出さないこと、本の名前を言い出さないことを約束させられた。実際には、本の名前は知られ、出版社の名前は知られているので黙っていました。結局、「つくる会」側からも。私の方からも本の内容もかえることもなく終わった。
結局、総会に出席した会員全員が、鈴木敏明が新しい本を出版したことを全員が知らなかった。それから2,3年後、「つくる会」の名古屋支部で藤岡先生の講演があるからと言って、何も知らない私の本、「保守知識人を断罪す」を2,30部ほど送れと知らせが入った。
両者間のやり取りを知らない私は、本を送っただけでした。ところで現在、「つくる会」の問題では二つの大きな問題があります。

一つ。
平成31年4月に検定申請し、同じ年の令和元年12月に「欠陥箇所が著しく多い」(405件)との理由で不合格になった。検定に当たった教科書調査官「村瀬信一、橋本資久、中前吾郎、鈴木楠緒子の四名。「つくる会」初めての検定試験落ちで大騒ぎだ。「つくる会」関係者は、新聞、本、ファックスなどで賑わっているので、この大騒ぎはよく知っているでしょう。

二つ。
送信日時:2020年4月30日木曜日
件名:「正論編集部」論文につくる会が抗議
声明月刊誌「正論」への抗議声明を発表
文科省「不正検定」問題を巡り

=明かな事実誤認に基づく「つくる会」批判に強く抗議の意を表明=

新しい歴史教科書をつくる会は、本日5月1日発売の月刊誌「正論」に掲載された、文科省不正検定問題の論文について、内容が事実と異なり、また著しく偏っているとして下記の緊急抗議声明を発信しました。
「これまで月刊誌「正論」はその名前のごとく、わが国を正しい方向に導くべく、その指針となるべき多くの論文を掲載してまいりました。またこれまで当会の教科書改善運動に対しても大きな理解をいただき、まさに共に闘ってきた戦友とも言える発信媒体でした。それだけに、今回のまさに背後から撃たれたような、文科省の代弁者かと思われる「つくる会」批判には驚きを禁じえません。極めて残念の一言です。当会としては、この度の愚挙の背後に何があるのかの真相を含め、この論文を絶対に見過ごすわけにはいきません。」
「以下の文章を省略する。」

このファックスの製作者は、藤岡信勝氏です。この藤岡氏がこの大嘘の文章を一人で書いたのです。
ところで、なぜ私が、途中まで引用した文章を何故省略したかわかりますか。全部で嘘を書いているからです。平成25年6月に書いた、「保守知識入を断罪す 「つくる会」苦闘の歴史」(総和社、1500円プラス税)は私が全部書いたものです。平成25年6月は、「つくる会」の総会の日であった。執行部は本の名前も出版社の名前をださなかった。
この執行部の決断を重んじたせいか、私は、自分自身で積極的に自分の本を売り込まなかった。そのせいか、今でも在庫が30冊ぐらいある。本代も無料、本の輸送費も無料でお届けしますから、早いもの勝ちで送りますから送り先の住所を教えてください。「つくる会」の皆さんには、「つくる会」の執行部は、この本の存在を一度拒否下した本を改めて読んで欲しいのです。

ATTACHMENT”A”(後述)

発信者:川又和敏
宛先:鈴木敏明
発信日時:2013年6月19日
件名:保守知識人を断罪す「つくる会」苦闘の歴史

川又氏は、「つくる会」の前群馬県支部長であり、私の本の読後感を書いた人です。川又氏の読後感が丁寧に書かれています。

ATTACHMENT“B”(後述)
差出人:川又和敏
送信日時:2020年5月4日
宛先:つくる会
件名:茨木県支部解散

川又さんは、2020年5月4日に茨木県支部解散「つくる会」執行部に伝えていました。常日頃、茨木県支部と顧客と接触するようにとすすめていました。これに反して、私は、神奈川県支部役員を10年間やっていましたが、学校訪問など一度もやったことがありません。茨木県支部解散の知らせも「つくる会」本部からの同情の声もあがりませんでした。

 

「つくる会」の今後

一.
既存各社の壁を乗り越えることは難しく、前回2015年の採択戦おいて、公立中学校での採択はゼロに終わりました。このため、今回制作にあたっては、歴史、公民とも現行版を大幅に改訂をすることとなりました。
まず歴史教科書について言いますと、昨年9月より約2週間に一回のペースで執筆会議を開きました。藤岡副会長をはじめとする執筆陣に加え、歴時学者や学校現場の先生方、会員有志、それに事務局員ら毎回十人以上のメンバーが集まり、序章をはじめ、一章から六章までの九0を超える単元の本文、大型コラム、それに章間の原稿を持ち寄り、検討をくわえました。このようなことが、「つくる会」の月刊誌「史」平成30年11月1日発行。「つくる会」執行部がこれまでの歴史教科書より時間と労力をかけて作りましたが、それにもかかわらず欠陥箇所を405軒見つけられ初回で検定落ち。なぜこういう結果になったのか執行部の説明を聞きたい。

二.
私は、「つくる会」への月刊誌「正論」への抗議声明ははっきり拒否します。何度も言いますが藤岡信勝氏は大嘘をついています。また同じ文章を繰り返しますが、「またこれまで当会の教科書改善運動に対しても大きな理解をいただき、まさに共に闘ってきた戦友とも言える発信媒体でした。それだけに、今回のまさに背後から撃たれたような、文科省代弁者かとも思われる「つくる会」批判には驚きを禁じえません。極めて残念の一言です。」
こんな事は絶対に起こりません。昔から「つくる会」、「正論」系月刊などは、皆、社の方針で記事を書くだけです。一昔前、八木秀次氏、育鵬社、正論、産経新聞に「つくる会」が乗っ取られそうになりました。お好みでしたら、拙著、「保守知識人を断罪す。「つくる会」苦闘の歴史」を参照してください。

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ATTACHMENT"A"
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送信者:"川又和敏"
宛先:"鈴木敏明”
送信日時:2013年6月19日13:09
件名:保守知識人を断罪す「つくる会」苦闘の歴史有り難う御座いました。

鈴木敏明樣

先ず以て「つくる会苦闘の歴史」の上梓にお祝い申し上げます。
この手の本が今まで出なかったことに、今更のように不思議な感をもちます。それだけにこの時期将に時宜を得た出版と言えるでしょう。

採択を2年後に控え、果たして本部、支部の態勢はどうなのか。今まで繰り返されたミスが出るのではないか、という不安が消えません。
しかし、その中で明るい材料として、浜田實三多摩支部長を中心とする、教科書作成支援態勢があります。
鈴木さんご指摘のように、金も人員も不足している中での教科書づくりですから、それをどう克服するかが課題です。その一つに一歩前進の兆しが見えたことは大きいと思います。本部がこれを最大限に生かすことを願います。

そうしたつくる会活動のために、この本が大いに役立つことを確信します。なぜなら、人は自分の立ち位置を知ってこそ踏ん張ることが出来るからです。
もちろんつくる会会員は、これも鈴木さん何回も触れておられるように、子供達によい教科書を与えようとして、身銭を切って参加しています。しかし、その気持ちも浅深広狭様々です。また、時間の経過によって初心を忘れることも生ずるでしょう。
そのような時に、つくる会の苦闘の歴史を知ることは、心を新たにし、つくる会を支えようとする意欲をかき立てる事になると思うのです。

さて、ご著書ですが、遅読の私としては異例の早さで読み終わりました。
私が会員になったのは平成11年ですから早い方ではありません。平成17年から6年間茨城県支部長として、一般会員の方よりは少し多く、つくる会との関わりはありました。
特に混乱期に地方支部としては唯一茨城県支部が、東京2支部の呼びかけに応じ、混乱解決に微力を尽くしたことが印象に残っています。
そんなわけでどの頁も興味深く、一読巻を措く能わずで読みました。そして、先ず思ったことは、よくぞ調べ、よくぞ書いたり、ということです。鈴木さんの資料活用能力の凄さは、「逆境に生きた日本人」でつとに承知していましたが、改めて感嘆久しくした次第です。

つくる会の歴史は、16年という決して長いものではありませんが、波瀾万丈、複雑怪奇、分かり難い部分が多々あります。それを快刀乱麻、整然と分かりやすく説く筆力は、将に驚嘆に値します。その内容に、私自身大いに教えられました。
鈴木さんの話しかけるような文は、親しみやすく、説得力に富んでいます。それでいて、歯に衣着せぬ大胆な指摘は、痛快であり、はっとして目が覚まされることも一再ではありません。
執筆の動機が義憤によるというのも鈴木さんらしく、何と自費を投じての出版と聞いて驚き、大きな感動を受けました。鈴木さんの侠気(おとこぎ)を強く感じました。

いわゆる一社体制と称した育鵬社との合併話に、「狂気」という強い表現で、断固反対の論を書かれている部分などは、全く同感であり、興奮が甦る思いでした。
つくる会を潰そうとする国内外の敵の姿を、明確に指摘していることも、会員にとっては大切なことで、採択戦への構えになります。
つくる会の歴史の大きな山場八木秀次一派による乗っ取り騒動。これは今に尾を引く重大な関頭でした。しかし、意外に真実を知らない会員が多く、これを詳細に述べられたことも有り難いことです。

「盗作に関する手紙」で長谷川直美さん鈴木さん、小山常実先生の手紙が出てくるところは、実に面白いですね。ほかにも種々実物の例示がありますが、ここは手紙という日常性の物のせいか、内容が素晴らしい事と共に興味深く読みました。
手紙に対して唯一人返事を寄越した渡部昇一氏の律儀さは、内容はともかく感心しました。

「学者、先生たちの甘い生活」も、言い難いことをズバリと切って捨て、心ある人ならば大いに身を省みたことと思います。批判がないことは気の緩みにつながります。鈴木さんの大胆さこそ貴重な存在です。

最後に、安倍総理との直接対話。希有な機会を逃さず迫った鈴木さんの態度に、手に汗握る思いでした。
この本に芯として通っている、つくる会を潰してはならないという愛国心、つくる会存亡に対する危機感、つくる会に対する愛情に打たれます。
つくる会こそは保守の最後の砦であるという明確な認識を、この本によって、会員皆が持たなければなりません。そして、この本はそれを十全に果たすだけの力を備えていると信じます。
纏まりのないことを書き恥ずかしい限りですが、一言申し述べて、お礼の言葉といたします。本当に有り難う御座いました。

平成25年6月19日

川又和敏

 

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ATTACHMENT"B"
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差出人:メールアドレス表記のため割愛
送信日時:2020年5月4日月曜日 23:15
宛先:メールアドレス表記のため割愛
件名:RE:[tk支援ML26431]茨城県支部解散について

川又様

第一線で心血注いで戦ったご苦労とお立場が、一瞬にして足を掬われる。
私は、何もしない一会員ですが、「検定不合格」の報に、常に会員を叱咤激励されていた川又様ことが最初に頭に浮かびました。
憤懣遣る方なし、心中お察しするに余りあります。
解散、当然です。
門山榮作

From:メールアドレス表記のため割愛
Sent:Monday,May4,20208:37PM
To:つくる会ML
Subject:「支援ML26425]茨城県支部解散について

茨城県支部解散について

非常事態だからこそ(最終回)茨城県 川又和敏

つくる会茨城県支部は、支部の機関決定により、令和2年4月末日解散しました。つくる会歴史教科書文科省検定不合格により、今年はもとより、今後の採択の展望がなくなったからです。展望のない活動はできません。支部の目的は採択です。採択活動のない支部は存在する意味がないのです。だから解散したのです。

教科書改善運動に参加して20余年。支部活動によって採択されたのは、僅かに茨城県支部の活動による常総学院の前々回の採択、前回の継続採択があるのみです。その常総学院への教科書供給も出来なくなりました。茨城県支部は常総学院に大変な迷惑をかけてしまいました。

私共は昨年12月、本部を訪問して教科書供給について確かめました。公立中学校の採択の目途がついたからです。採択をお願いする以上、そこまでしないと責任が持てません。本部は教科書供給は心配ないとの答えでした。ところが、晴天の霹靂!かつてない検定不合格です。教科書供給の道は閉ざされました。採択をお願いした地方自治体にも迷惑をかけてしまいました。直接交渉をした我々は、責任を取るため支部役員・会員を辞任することにしました。

「文科省のつくる会潰しだ」という本部の説明がありました。そうであっても、つくる会以外の人達に納得して貰えるでしょうか?その人達は検定不合格という事実しか見ません。仮に説得できても、かけた迷惑が解決するわけでもありません。常総学院、地方自治体への責任は限りなく重いのです。

茨城県支部は、精一杯の努力によって些かなりとも成果を挙げました。しかし、検定不合格によって、築き上げてきた人脈、信頼関係が音を立てて崩壊したのです。これを修復することは困難です。高齢化もあり支部を後継してくれる人も見当たりません。支部会員には今までの活動と支援に感謝し、つくる会に残るも去るも自由であると告げてあります。

つくる会で長い間苦楽を共にした皆様、ご縁を頂いた皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。有り難うございました。さようなら。

1件のコメント

  1. 鈴木先生お加減はいかがですか。ご無沙汰しております。神奈川支部の森です。
    本を出版して、本部に呼び出されますが、大分前のことで良く覚えていないとおっしゃていますが、要するに本部の最終的なGOを受けないうちに見切り発車して困るということなのですか。だとしたら、本を書き終えて校正までしているのだから、一言、これこれの事情でGOを出せないとか云って欲しいですよね。
    書いてみないかと誘っておいて、それはヒドいと思います。

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