最近では男女同権、男女平等の思想が行き過ぎて、男女の区別を明確化すると非常に強い反発を招きます。何が何でも男女は同じ動物で男女の区別の認識化を嫌がる傾向があります。私に言わせれば、男女は全く別の動物であり、それがために男女はお互いに100パーセント理解し合えることができない。だから夫婦という男女間の密接な関係は、お互いの深い愛情がないと成立いたしそません。お互いの深い愛情こそが、精神的にも肉体的にも全く違う男女という生き物を結びつける一大要因なのだという認識できなくなっているのだ。なにが何でも男女の区別をやめて男女同じ動物にしようとするから、今後どんどん日本の離婚率は増えること間違いありません。もうアメリカは何年も前に最初に結婚した相手と死ぬまで結婚を続ける人たちが50パーセントをきっています。いずれ日本の離婚率もアメリカ並みになるでしょう。それを避けるためには、「男女同権、男女平等、但し男女別動物」という認識を強く持つことです。
そして日本女性のあるべき姿をどこに置くべきか、私の主張を述べてみます。私は読書好きですが、私が個人的の好きな小説家は二人しかおりません。私はこの二人の作家だけは全集などすべて読んでいます。二人の作家とは司馬遼太郎と山本周五郎です。司馬遼太郎は大東亜戦争史に関して歴史的には危険人物です。ここで私が推薦するのは山本周五郎です。周五郎は明治36年生まれ、時代小説しか書かない時代小説の専門家です。作風は登場する主人公が個性的な意固地な生き方を選ぶ、そのために苦労するが、その生き方をやめようともしない主人公を描き、その生き方に手を貸してくれる女性が現れると言うような筋書が多いい。私もどちらかと言うと意固地な生き方をするほうなので登場する主人公に親近感を持って読み続けた。一番印象に残る作品は、「日本婦道記」です。昭和18年には直木賞に選ばれましたが山本は辞退しています。直木賞受賞決定後に辞退した雄一の人物です。辞退の理由は山本が個性的で文壇との付き合いがほとんどなかったからと言われています。その後も賞とよばれるものはすべて辞退です。それでも新潮社が主体になって昭和63年に山本周五郎賞を設けられ現在まで続いています。
この「日本婦道記」、舞台は江戸時代でそれぞれ出自の違う武家の娘11人の生き様を描いた短編小説です。完成された封建制度と武家社会の基に、武家の娘たちは決して現在社会の女性ように自由奔放に生きられないものの、決して信念を曲げずに自分の愛する夫、子供、家族、家名を守るために一途に捧げる彼女たちの愛情の深さには感銘を受けるばかりです。権力や権威、あるいは力づくで愛情深さを出せと命じられても、愛情深さを出すことはできません。出版された当時でも読者の中に女性だけに不当な犠牲を払わされているという批判も浴びたこともありました。山本周五郎は、このように解答しています。
「あれは教訓で、女だけが不当な犠牲を払っていると言われるのですが、私はそれが非常に心外なので、もう一度よく読み直して頂きたいと、よく申し上げます。あれはむしろ世の男性や父親たちに読んでもらおうと思って書いた物で、小説自体の中で女性だけが特別な不当な犠牲を払っているようなものは一篇もないと思います。(中略)もし不当な犠牲を強いられたら、日本女性だって、そんな不当な犠牲に甘んじている筈はありません。私はそうではなく夫も苦しむ、その夫が苦しむと同時に妻も夫と一緒になって、一つの苦難を乗り切って行く、という意味で、あれだけの一連の小説を書いたのであります。」と回答しております。
現在の若い女性たちは、自分自身できめた人生を自由奔放に突き進むことができますが、現在日本の老若男女は、江戸時代の上流社会の武家の娘たちの生き方を一度読んでみるのも参考になっていいのではないかと私は思っています。なぜあれほどの深い愛情をささげることができたのか、やはり江戸時代の前から何百年にわたる家庭生活からうまれた日本文化の質の高さによるのではないでしょうか。その意味において敗戦後GHQから与えられた現行憲法は、日本の文化あるいは日本人を堕落させた根本犯人です。一にも二も現行憲法破棄、新憲法制定でアメリカの保護国からの脱却、真に独立独歩の日本、日本文化及び日本人の復活を希望します。特に現在の若い男女たちにお願いがあります。「男女同権、男女平等、但し男女別動物」の考えをよろしく、そして山本周五郎の「日本婦道記」の一読をお願いいたします。先ごろ若夫婦が生み、育てた幼児に満足な食事を与えず殺してしまう、若夫婦の話は、戦後の日本文化と日本人の堕落以外のなにものでもありません。
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2 comments »
上等兵 より:
2018年7月28日 10:49 PM
ご無沙汰しています。上等兵です。
齢80を過ぎなおかわらず精力的に文筆活動されていることに非常に畏れ入ります。
本文の男女平等問題について、私も最近面白い本を読んだのでご紹介します。
『なぜ、男は「女はバカ」と思ってしまうのか』(岩月謙司 講談社α文庫)
この作者は、専門は動物行動生理学で、生物学という理系の分野で実績を残していますが、本書は、男と女の感情の側面から男女の違いを論じています。
えんだんじさんの言われる、「男女同権、男女平等、但し男女別動物」を色濃く主張されていて、単なる一般向け新書にしては非常に面白くためになる本でした。
また、えんだんじさんは山本周五郎を推していますが、藤沢周平などは読まれますか?
司馬遼太郎が完全に男社会寄りの作家だとすれば、藤沢周平は、男女の微妙な差異をうまく表現している作家ではないかと思っています。
やむにやまれぬ男の事情
やむにやまれぬ女の事情
それゆえに不幸になっていく武家の夫婦などがよく登場します。
私は30代の頃よく読んでいましたが、今40代でまた読んでみると、違った味わい深さがあります。
オススメです。
えんだんじ より:
2018年7月29日 9:06 AM
上等兵さん
コメントありがとうございます。大変ご無沙汰しております。もう子供さんも随分大きくなったと
思います。藤沢周平の本は読んだことありませんが、テレビドラマではいくつか見たことあります。岩月謙司の本は読んだことありません。いずれ讀みだすつもりです。ご紹介ありがとうございます。