書評「日米戦争を起こしたのは誰か」(勉誠出版)

2011年にアメリカで出版された本が、日本で非常に話題になっていながら日本語翻訳もされず話題になったままの洋書がある。フーバーアメリカ元大統領(大東亜戦争のアメリカの責任者、ルーズベルト大統領の前の大統領)が書いた著書「Freedom Betrayed」(裏切られた自由)です。これは歴史研究の本でフーバーは、この本を書くために20数年間資料を集めて書いているのですが、現在「フーバー研究所」がありますがこの集めた資料が発展していまの研究所になっています。従って彼の書いた「Freedom Betrayed」はまさに学術書と言っていい。フーバーは900頁を超えるこの大著を昭和39(1964)年に書き上げ、出版社に提出した。ところが提出後すぐに彼は死んでしまった。それから47年後の平成23(2011)年に出版された。なぜ出版までにほぼ半世紀もかかってしまったのか。この本の内容が大東亜戦争とソ連発展に対する徹底したルーズベルト批判だからです。アメリカで出版されてからもう5年も経つのにいまだに日本の出版社や日本の作家に翻訳権を与えてくれない。私は、この翻訳権についてはアメリカ政府が完全に関与していると思っています。私は「大東亜戦争は、アメリカが悪い」(勉誠出版)を書いていますが、まるでアメリカ人のフーバー大統領も「大東亜戦争はアメリカが悪い」を書いているようなものです。この本が日本語に翻訳されたら、戦後直後アメリカ軍が日本国民に強いたWar Guilt Information Programは、アメリカ政府の底意地の悪さを証明するものになるでしょう。

この「日米戦争を起こしたのは誰か」の出版の企画したのが外交評論家の加瀬英明氏です。また加瀬氏は私の所属する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を専門に出版する自由社の社長です。国際政治や歴史に詳しい三人の論客、茂木弘道氏、稲村公望氏、藤井厳喜氏がこの原書を読み、この本のエッセンスを語ってくれているすばらしい本です。本書の最重要である第二章「過ったアメリカの政策」の中で彼ら三人がルーズベルトの犯した19の過ちや誤りを列挙し説明しています。ここではその項目だけあげておきましょう。
第一の過ち   1933年の国祭経済会議の失敗
第二の過ち   ソ連承認
第三の過ち   ミュンヘン融和の成功と失敗
第四の過ち   英仏の「ポーランドとルーマニア」への独立保証
第五の過ち   アメリカの宣戦布告なき戦争
第六の誤ち   警戒心を持った忍耐政策を取らなかった事
第七の誤ち   ソ連共産主義を助けた事
第八の誤り   1941年7月の日本への経済制裁
第九の誤ち   1941年9月近衛和平提案を拒絶した事
第十の誤ち   日本との三ヶ月の冷却期間を拒絶した事
第十一の誤ち  無条件降伏の要求
第十二の誤ち  1943年10月のバルト三国とポーランド東部のソ連への譲渡
第十三の誤ち  1943年12月、七つの国家にソ連の傀儡政権の押し付けを認めてしまった事
第十四の誤り  ヤルタの秘密協定
第十五の過ち  1945年五月~七月の日本の和平提案を拒否した事
第十六の誤ち  トルーマンのポツダムでの決断
第十七の誤ち  原爆投下
第十八の過ち  毛沢東に中国を与えた事
第十九の誤ち  戦後世界に共産主義の種を撒いてしまった事

この19項目を見ると、私の本、「大東亜戦争は、アメリカが悪い」よりもフーバーの本が
共産主義についてより詳しく語っているほうが多いということがわかります。
戦後70年間未だに自虐史観が教え込まれ、大東亜戦争という言葉さえ自由に日本国民が使わない、なお且つこのフーバー大統領の回顧録の翻訳権が日本に与えられていない現在、この本「日米戦争を起こしたのは誰か」(ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず)(勉誠出版)は、日本国民必読中の必読本である。

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3 comments »

池田俊二 より:
2016年4月3日 8:32 AM
HOOVER著 ”FREEDOM BETRAYED “ と鈴木敏明著「大東亜戦争は、アメリカが悪い」が、ふたつながら、世界を席巻することが私の夢です。

地球上の状況がかなり変りるのではないでせうか。そして、ワルどもはかなり退き、我ら善玉がもう少し大きな顔をできる世界にしたいものです。

ただ、えんだんじさんの奮闘に期待するだけで、なんの力にもなりえない自分が情けない!

諏訪田陽山 より:
2016年6月25日 2:35 AM
えんだんじ様
・このフーバー大統領の回顧録の翻訳権が日本に与えられていない
・この本「日米戦争を起こしたのは誰か」(ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず)(勉誠出版)は、日本国民必読中の必読本である。

この2つの文章は矛盾していると思うのですが。「日米戦争を起こしたのは誰か」の原著者は誰なのですか? フーバーのだったら、翻訳権を犯していますが。

えんだんじ より:
2016年6月25日 1:02 PM
諏訪多陽山さん

翻訳権を獲得した日本人がいます。今年の12月に草思社からでるようなことをきいています。
翻訳者の名前はまだ言えません。

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