緊急提案、今すぐ福島原発を破棄せよ。

私は原子力発電に関する知識は、なにも持ち合わせていません。しかしなんら知識がなくとも現在の福島原発を廃棄すべきだという論理を組み立てることができます。即刻廃棄すべき理由は:
1.東京電力は、現在の福島原発の事故に対して完全に制御不能に陥っているとしか考ええられません。
事故以来3週間、なにも改善されていません。放射能漏れを止めるどころか広がりさえ見せています。さらに原子炉そのものが損傷を受けている恐れが多分に出てきました。20キロ、30キロの避難民にたいして、政府は昨日自主避難を呼びかけています。いずれ放射能のさらなる広がりを恐れているのです。もうこれ以上汚染が広がらないように廃棄宣言をするべきです。

2.現場作業員は肉体的にも精神的にも疲労困憊のはずです。そんな時にえてしてミスを犯しやすいのだ。
事故から3週間経つので作業員は、交代で作業していると思います。しかし事故の特徴や、作業の流れから判断して現場作業員の数は限られます。作業員の妻によるネット報道によると食事はカロリーメイト、寝るのは椅子の上です。苛酷な労働条件の下、自分の身を放射能のさらしながら復旧作業は急がなければなりません。精神的プレッシャーも大変なものです。その上現在の若者は、学校でも家庭でも精神的に鍛えられるということがないので我々の年代より上の者と違って精神的にもろいのだ。技術者ならば、「こういう時には」、「こういう作業をする」という当然の流れあるはずです。正常時なら本能のごとく当然の作業をするのだが、肉体的にも精神的にも疲労困憊したような状態の時、えてしてとんでもないミスをするケースが多々あるのです。現場の作業員は、もうこれが限界で、これ以上の酷使には精神的にも肉体的にも耐えられないのではと危惧しています。

昨日作業員3人が被爆した。三人は作業中深さ30センチあまりの水たまりの中を歩いている途中、水が靴の中に入り被爆したという。NHKの水野解説員は、ブーツを履いていてブーツとズボンのすそをテープではりつけて水がはいらないようにしておけばよかったと言っていた。私はとっさに長靴を履いていれば問題にならなかったろうとテレビに向かって怒鳴っていた。3号基など沢山放水を浴びているのだから作業の時、長靴を履くのは常識でしょう。後で分かったことだが、二人はブーツ、一人は長靴で、二人は直接皮膚に放射能を浴びてしまったのだ。皆さん、こういう現場で働く時は、長靴を履くのが常識でしょう。それとも作業用ブーツを履くのが常識なのでしょうか。小さなミスでも自分に跳ね返ってくるなら問題になりませんが、そうでない場合大変な被害を及ぼす結果になりかねません。

3.東電、政府の発言が信用できません。日本の文化の一つに「隠しごと」があります。犯罪になる隠し事は、たいしたことではありません。捕まえればそれですむことです。日本の文化の「隠しごと」で問題なのは、善意による隠し事です。だから厄介なのです。例えば、こんな事を発表したら国民がパニックを起こしてしまうと恐れて、「言わない」あるいは「言っても」表現をぼかす、日本にはこういう隠し事が多いのだ。東電の清水社長は、これだけに事故を起こしてもメディアに顔をみせません。なぜだ?皆さん理解できますか。東電のような公益事業の大会社の社長など、私にいわせれば役人と同じで、社長と言っても飾り物にすぎません。こういう大ピンチのとき陣頭に立って指揮を取れる能力など一切ないのだ。あれば当然もうマスコミの前にたっているはずです。それでも社長は社長です。国民にはっきり知らせるためにも、東電の社長をメディアの前に引っ張り出し、東電のどういうところに手抜かりがあったのか、そして補償問題の話をさせるべきです。補償の問題を国も応分の負担をするつもりようだが、私は国民の税金など使うのは大反対で。何十年かかっても東電本社、東電の経営陣と社員に負担させるのは当たり前の話です。東電は大会社だからつぶされないですんでいるのだ。あぐらをかくでない。

それにもう一人メディアの前に出させなきゃいけない人間がいる。原子力安全委員会の人たちです。政府はこの安全委員会の意見を伝えているにすぎないのです。原子力安全委員会の目的の一つは、「皆様との対話の促進を進める」とあります。この際原子力安全委員会は、福島原発の現状と、これから取るべき手段、万策尽きたらどうするのかなど国民に報告するべきなのだ。

原発を廃棄すると言ってもその方法は私にはわかりません。しかし最悪の廃棄方法は知っています。昭和61(1986)年にメルトダウン(炉心溶融―核燃料が溶ける現象)を起こしたチェルノブイリ原発です。その時原発そのものはコンクリートと鉄板で覆って「廃炉」にした。廃棄方法として他に良い方法がなければこの方法しかないでしょう。日本政府は、早急に廃棄への準備にかかるべきです。福島原発事故発生時、アメリカはスリーマイル原発事故で「廃炉」にした経験があるので、技術者派遣を日本に提案したら東電と菅政権は断ったのだ。東電は事故見通しを誤ったのだ。

最後に私は、福島原発事故で避難している人たちに御願いしたい。あなたがたは、政府に怒りを感じないのですか、私に言わせれば、まるでおとなしい羊の群れ同然ですよ。可能であれば福島原発を廃棄したくないのですか。政府は、「ただちに」(この「ただちに」をオーム返しのように使っている)健康への害はないと言っていますが、10年後、20年後、30年後は大丈夫なんですか。自分が生きている間、あるいは子供が生きている間に放射線を浴びたせいで癌などの難病に掛かったら、即座に補償してもらうこと、政府に病気と放射線の因果関係を調べなきゃなどと言わせないためにいまから政府の補償をとりつけておかなくていいんですか。これから先、被害を受けるとしたらあなた方が最大の被害者になるのですよ。福島県知事を動かして政府と戦わなくてどうするのですか。ぜひ怒りをあげてください。
最後に私は、この国難にさいして日本という国のエリート社会を構成する人たちの無為無策無能ぶりには本当に腹が立ちます。これは日本国民がおとなすぎるからなのです。我々国民が声をあげて心底怒らなければ彼らの成長はみこめません。いまこそはげしい怒りを示そうではありませんか。

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