日本の借金は膨大で、いつか借金で首が回らなくなる?

「つくる会」には会員同士がメイル交換できるメイリングシステムがあります。教科書問題を始め、歴史、政治、経済、文化などほとんど何でも会員同士、メイルでディベイトができます。時々多くの会員を巻き込む大論争があります。今月に入って大論争がありました。話題は、日本国の借金問題です。日本の借金は1000兆円をこえました。いつまで、またいくらまで借金が増やせるのか?そんな心配はいらない、まだまだ借金は増やせるのだ。この二手に分かれて大論争がありました。経済にうとい私など両方の意見を読むと、両方のいいぶんにもなるほどと思わせる部分があり、自分では自分の結論が出せません。そこですぐに思い出したのが読もうと思って買っておいた本です。最近自分の年のせいか、読書力のスピード、読解力の落ち込みが激しい。昔、通勤電車は私の読書時間だったのに、いまじゃ電車に坐って読むとすぐに眠くなってしまう状態です。つい2、3ヶ月前に買った本なのにまだ読みだしていない。このブログを書くためにあわてて読み始めました。その本のタイトルは、「財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済」(上念司著、講談社+アルファ新書、2016年9月20日、880円税別)。文字通りごく最近の本です。
私が新聞広告でこの本のタイトルを見た時、これは面白そうだと思い、本屋にゆき店頭に出ていたので手にしました。本の帯の表には「財務省のホームページに載る700兆円の政府資産は、一体、誰の者なのか!?」と書いてあるのです。本の帯の裏にはこう印刷してあるのです。
引用開始
「日本国は、そのGDPの二倍以上となる1000兆円の借金を抱えているーーこれは広く国民が周知するところだ。しかし、その同じ日本国が約700兆円もの資産を抱えていることを知る国民は少ない。これがいかに巨額であるか、それはGDPが日本の約四倍にもなるアメリカ政府資産が150兆円しかないことからも一目瞭然であろう。こうしたことを指摘すると「そんなこといっても、資産は道路や空港であって、換金することなどだきないではないか」という人が必ずいる。しかし違うのだ。事実は「現金・預金」「有価証券」、特殊法人への「貸付金」「出資金」などすぐに国民のために使える資産が300兆円以上もある。」
引用終了
この本のタイトル、その帯の裏表の文章を読むとなんだかうれしい気分なり、本の値段も安いということで買って、いずれ讀もうと机の本箱に置いておいたのだ。

著者は、この本に33の質問を出させ、それに答える形式で本を書いています。本書の23頁に質問2として以下の質問が載せられています。
質問2「日本の政府は膨大な借金を抱えているといわれますが、これは完済しないといけないのですか?」
解答2「いいえ、実は返す必要はありません。」
以下くわしい説明文が書かれています。初めの部分だけ引用します。
引用開始
「永久に借金を繰り返せる人とは
政府債務の問題を論理や道徳の問題で語ろうとする、間違った考えの人が多すぎて本当には困ります。彼らは政府の借金はゼロになることが論理的に正しい状態で、一円でも政府が借り入れをしていたら不健全だと考えるようです。
しかし、政府の借金は必ずしも「完済」する必要はありません。まして、借金をゼロにしなくてもいいのです。その理由は、政府の寿命が一般人とはまったく違う、というところにあります。
通常、多くの人が政府債務の問題と、個人の債務問題を混同しています。確かに個人で借金した場合には、返済期限まで完済するのが常識です。借金を踏み倒すことは論理的にゆるされない、泥棒のような行為と言われても仕方ありません。しかし、政府の場合は個人の借金とは決定的に違うところがあります。それは、個人はいつか死にますが、政府は死なないという点です。こんな例え話で考えてみましょう。」
引用終了
以下例え話が続きさらに説明が加わり、債務完済問題について合計7頁を使って解答し、その後次の問に答えていく方法をとっています。この本を読んで気づくことは、政治や歴史問題は、左翼が新聞、テレビをわが物顔をし、外務省もその意向を裏から支えるような感じ(日中歴史認識等)だが国の借金問題は財務省が主役になって新聞、テレビ、評論家等を騙し、日本は大借金まみれで苦しい、苦しいと金不足を演出し、国民は右翼も左翼も関係なく財務省に惑わされているのだ。なにしろ日本の借金額は、克明に知らされるが、現在日本の国家資産がどのくらいあるか、新聞やテレビで知らされることは皆無だ。財務省は外務省より質が悪いかもしれない。ぜひ皆さんのこの本、「財務省と大新聞が隠す、本当は世界一の日本経済」を読んでいただきたいと思います。本の値段は880円と安いし、文庫本より多少大きいサイズの本だが、その分文庫本より印刷されている字が大きく、内容も読みやすい。一読の価値ある本です。

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