またまたうぶでバカでお人好し外交(1)

日本外交とは、どんな外交かと言えば、たった三語でいいきれます、うぶでバカでお人好し外交です。私は自分の著書の中でもこの言葉を何回も引用しています。またブログの中で度々引用しています。なぜ何回もくりかえすのか。この言葉を世間に広めたいからです。世間に広まれば、この言葉が政治家や外交官に伝わり、彼らの警鐘になると思うからです。つい最近も、今回のブログのタイトルのように「またまたうぶでバカでお人好し外交」がありました。それは、クラスター爆弾禁止条約署名と国会の批准、及びCO2(温暖化ガス)削減交渉です。CO2削減交渉は、次週に書くことにして今週は、クラスター爆弾について書いてみました。
外交は選挙の票にならないとよく言われます。選挙間近の現在、日本にとって非常に不利な条約があっさりと難なく批准されてしまいました。もうどうしようもない、あきれはてたうぶでバカでお人好し外交です。まずクラスター爆弾とは何か。
クラスター爆弾とは、航空機や地対地ロケット弾などに搭載される爆弾ケースのことで、その爆弾ケースの中に小型爆弾や地雷で構成される数個から数百個の子弾を内蔵しています。日本では親子爆弾とも言われています。このクラスター爆弾は、通常の爆弾より殺傷力では劣りますが、内蔵された子弾が非常に広範囲に飛び散りますので広い範囲に分散した目標物を一度で破壊できるし、また広範囲に展開する敵を攻撃できる利点があります。
なぜこの爆弾の使用を禁止しようという動きが国際的に起きたかというと、この爆弾を投下した時あまりにも沢山の子弾が飛び散るので、どうしても不発弾として地上に残るケースが多いい。またわざと投下した時点では炸裂せず、ある一定の時間後に触れると炸裂するように工夫することもできます。イスラエルとパレスティナの紛争でも使用されたし、イラク戦争を初め各地の紛争地で使用されています。しかし紛争解決後平和が戻ってもクラスター爆弾の不発弾で民間人が多数巻き添えにあうケースが頻出し、人道問題に発展していったからです。
平成20年12月にノルウェーのオスロでクラスター爆弾禁止条約の署名式が行われ、日本を含む94カ国が署名した。しかしこの禁止条約に最初から討議に参加せず、したがって条約にも署名しない国が沢山あります。例えば、アメリカ、イスラエル、ロシア、中国、韓国、北朝鮮、台湾などなどです。ロシアは北方四島を略奪し、今でも時々日本海上でかってきままに日本漁船を銃撃、拿捕を繰り返しています。
北朝鮮は、日本上空を彼らのミサイル発射演習場として使用、韓国は竹島を占領支配し、中国は尖閣諸島での領有権争い、すなわち日本の近隣諸国、上記四カ国は、日本にとって軍事上の脅威になっているわけです。事実上日本の仮想敵国とも言えるのです。その四カ国が署名もしないクラスター爆弾禁止条約になぜ署名したのか全く理解できません。
いくら条約に署名しても日本の国会で批准しなければ効力は発揮しません。恐らく国会でこの条約批准には、かなりもめるのではないかと私は予想していましたが、なんの問題にもならずあっさり先月批准されてしまいました。これによって日本は、クラスター爆弾の使用、製造、移動、備蓄の禁止が義務づけられてしまったのです。その上クラスター爆弾の廃棄費用は、総額で200億円から300億円と言われています。防衛省の予算は、七年連続して前年度額の1パーセント減額で、防衛省は予算が足りなくて四苦八苦しているのに、現在所有しているクラスター爆弾廃棄に余計な費用をかけるわけです。一方上記四カ国は、クラスター爆弾を使用、製造、移動、備蓄と自由自在に利用できるのです。中国や韓国などの高笑いが聞こえてくるようだ。全くナンセンスというほかありません。
もともとこのクラスター爆弾は、日本にとってまさに専守防衛用武器なのです。敵が上陸した時、上陸地点が一ヶ所だけということは絶対ありえません。日本は海岸線が長い。人海戦術で人員を全上陸地点に配備できません。そこでクラスター爆弾を使用する戦法を考えていたのです。クラスター爆弾禁止条約に署名しない国にフィンランドがあります。フィンランドは、歴史上ロシアの侵略に悩まされてきました。フィンランドのバンネン首相は、「同爆弾は国境を守るために不可欠」だとして署名していません。フィンランドの主張は、「わが国のクラスター爆弾は輸出されるものでも国境を越えて使用されるものでもない。わが国が署名しなかったからと言って紛争地で被害が拡大するわけではない」
日本と全く同じ条件じゃないですか。しかも日本は武器輸出を法律で禁止さえしているのです。国際会議場で日本は近隣諸国から軍事的脅威をうけているからとは公言できないでしょう、しかしフィンランドのような主張だったらいくらでも公言できるでしょう。なぜこういうへまな外交をするのか。軍縮会議のような国際会議では、国益や実益を省みず、理想論で外交交渉するのです。うぶでバカでお人好し外交の見本です。バカ、バカ、バカ何度日本政府バカよばわりしても、したりないくらいです。
非核三原則、武器輸出三原則、武装放棄と戦争放棄の憲法、専守防衛用の兵器、クラスター爆弾の廃棄、次期首相候補の「日本列島は日本人だけのものでない」発言等等、まるで真夏の夜道をレイプしてくれと言わんばかりの肌もあらわに挑発的な服装で歩く若い女、これが日本の現状の姿と言っても過言ではありません。

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