無能!加藤プロ野球コミッショナー

私は、阪神タイガースファンとして50年以上と年季の入ったプロ野球ファンです。この度日本プロ野球選手会は、これまで来年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)不参加を表明していたが、つい最近不参加を取り消し、参加することになった。不参加から一転参加へともめた理由は、収益金の分配率の問題です。2009年大会では収益金1800万ドル(当時約15億円)。そのうち日本野球機構(NPB)への分配は13パーセント(約2億円)で大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会で66パーセント(約10億円)と格差が生じていた。来年のWBCでもこの分配金率は同じだというのです。これではあまりにも不公平と日本プロ野球選手会から不満が出るのは当然でしょう。

ところが驚いたことに日本野球機構(NPL)は、前回と同じ条件でやりますと昨年の12月に来年のWBC参加を約束しているのです。それで日本野球機構と日本プロ野球選手会との話し会いの結果、選手会は参加しないと結論を出したのです。そもそもWBCは、誰が運営しているのかというと、大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会が共同出資した運営会社が主催する大会です。参加費用など主催者が持ち、参加国・地域は選手を派遣するだけ。一方でスポンサー権などは、主催者がすべてを握るといういびつな構造なのです。擁するに主催者側だけの営利戦略が見え見えなのです。

利益配分の不公平さに対して、日本選手会は、「日本代表を応援する企業のスポンサー権は日本側にある」という国際大会では常識的主張をしているのです。しかもスポンサー収入の約7割を日本企業関連がしめて、日本ばかりが貢献してきたにもかかわらず、この利益配分です。

プロ野球選手会の反対にあって日本野球機構は、渡米して大リーグ機構と話あったが、条件変更は一切受け付けられませんでした。そこで日本野球機構は、選手をWBCに参加させるために利益の捻出を考えた。来年WBCを終えた「侍ジャやパン」を解散せず、そのまま4年間常設にし、試合をしてお金を稼ぐ、4年間で40億円前後の収益を見込まれるとして選手会を説得し、選手会はしかたなく了承して参加宣言をしたわけです。私は4年で40億前後の収益はあまりにも甘い考えと認識しています。「侍ジャパン」の存在など4年に一度だから価値があるのです。オリンピックでも毎年どこかの国で行っていたら価値が下がるでしょう。毎年「侍ジャパン」のユニフォームを見たら飽きてくるに決まっています。外国チームを呼んで試合するには、無料ではやってくれないでしょう。いずれにしても4年で40億前後稼ぐには無理があると思っています。

それでも来年WBCに参加すること自体誰も批判はしないでしょう。野球選手のために言っておきますが、彼らの分配金に対する不満は、なにも彼らの懐具合をだけを考えての行動ではないのだ。サッカーという人気スポーツが出現したし、その上今度は女子サッカーです。プロ野球人気に衰えも見えてきた。野球界も危機を感じているのだ。分配金でアマチュア球界を支援していきたい意志が強いのです。プロ野球選手会がWBC参加を表明した日、選手会会長で阪神タイガースの新井選手が記者会見で正鵠を射た発言をしていました。私が贔屓にするタイガースのさすが主将だけのことはある、よくはっきりと言ってくれたと思います。「この一ヵ月半のNPB(日本野球機構)の動きは」という記者の質問に対して彼は、こう答えたのです。
「一連の中で加藤良三コミッショナーの発言は残念でならない。本来は加藤コミッショナーがイニシアチブを取って、MLB(大リーグ機構)と交渉してほしかった。『震災もあったし出るべきだ』というような発言はまったくの筋違い」

全くその通りです。分配金がアメリカの66%に対して日本が13%ではあまりにも不公平、しかも日本の企業がスポンサーとなって稼がせる利益が非常に高いにも関らず、この分配金率の低さ、加藤氏はなぜ率先して自らアメリカ側と交渉しなかったのか。一生懸命アメリカと交渉したが、成功しなかったというなら話もわかるが、彼は最初から交渉しようとする意思すらなかったのでしょう。何故か。彼が無能だからです。その無能の背景には、現在の日米関係の情況を示しているような気がしてなりません。尖閣だ、竹島だ、北方領土だ、拉致被害者だと騒いでみたところで、現在の日本人には、国を守るために戦う気概もなければ、軍事力も不足、いざとなればアメリカに助けてもらうほかないと日本国民のほとんどがそんな雰囲気になっているのではないでしょうか。従ってアメリカにさからった意見は言えない。ましてや加藤コミッシショナーの前歴が駐米大使ならなおさらでしょう。

アメリカの駐米大使など害(外)務省ではエリートかもしれませんが、日本国内では評判が悪いのです。駐米大使経験者全員がアメリカの追随者、すなわちアメリカの太鼓持ちです。加藤氏の先輩にあたる斉藤邦彦元駐米大使は、斉藤氏が駐米大使の時に何をしたか。
(2010年12月11日、私のブログ「害(外)務省」参照)

加藤氏が駐米大使の時、彼は歴代駐米大使の中で最長の6年半駐米大使だったのだ。そのせいかすっかりアメリカの太鼓持ちに慣れきって、アメリカに対して何も意見がいえなくなってしまったのでしょう。読者に言っておきますが、私は反米論者ではありません。私が反米なのは大東亜戦争史観だけです。日米安保推進論者です。だからと言ってアメリカへの奴隷根性を見せるなと主張しているのです。古いプロ野球関係者は、日本選手のWBC参加を喜ぶだけで、アメリカのWBCの運営方法に不満を言おうとしないのです。まるで大リーグを神様扱いです。プロ野球選手会やヤクルトの古田のように引退した比較的若い元選手が運営方法に不満を述べるだけなのだ。

私は、プロ野球ファンの方に御聞きしたい。66%と13%との分配金の違いでもいいからWBCに参加しろというのだろうか。私などアメリカと条件の折り合いがつかなければ、アメリカ国内はWBCよりオールスターやワールドシリーズの方が人気が高い、だからWBCのスポンサーがあまり集まらず、日本のスポンサーの方がはるかに集まりやすい。そのため日本独自でWBCを運営しましょう。アメリカが参加してもよし、参加したくなければしなくてよい。日本はどんな大国際スポーツ大会でも立派にこなしてきた実績があるのです。そのくらいの気持ちでアメリカと交渉して初めて交渉らしい交渉になるのではないでしょうか。しかし加藤元駐米大使にはそんな交渉できるわけがない。できるくらいなら駐米大使にはなれなかったでしょう。

産経新聞では、ファンの意見としてスポーツジャーナリストの二宮清純氏とスポーツ評論家の玉木正之氏の二人の意見を取り上げているが、二人とも焦点はずれのことを言っていて、どこに問題点があるのかわかっていないのだ。せんじつめれば、問題は分配金の配分率であるが、そこえいくまでの全てが大リーグ機構(MLB)の独断で決めてしまうアメリカの横暴にあり、それに対して何もできない日本野球機構(NPB)と加藤コミッシオナーに日本選手会が怒っているのだと言うことがわかっていないのだ。

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