「歴史教科書盗作事件の真実」

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育鵬社の歴史教科書の盗作が問題になり、このブログでも何回か書いてきましたが、この度「つくる会」が編集して盗作の全貌を明らかにした本が先月25日に発売された。本のタイトルが「歴史教科書盗作事件の真実」。盗作箇所が全部で47ヵ所、それに盗作箇所精査中にわかったことですが、育鵬社は、「つくる会」教科書を盗作したばかりでなく、東京書籍の歴史教科書4箇所も盗作していることがわかりました。「つくる会」は出版前に弁護士と相談しています。弁護士によれば、これは誰が見ても盗作だと太鼓判をおしています。盗作箇所が47という前代未聞の盗作箇所の多さ、これが盗作が二、三箇所ぐらいなら、「つくる会」は問題にしなかったでしょう。現在4万8千人あまりの中学生が盗作教科書で学んでいるのです。これは社会を揺るがす大事件です。盗作に関しては日本史上最大の事件でしょう。これを育鵬社、自由社仲良くやれと主張する人たちは、これを大事件にしないで何もなかったことにして見逃せというのですか。盗作がなかったことにせよというのですか。盗作を見つけること自体が悪いことなのですか。

まず盗作の実態を本にするまでの過程を説明しましょう。昨年の教科書採択戦の時から、「つくる会」は、育鵬社が「つくる会」の教科書の盗作をしていることを知っていました。なぜ公表しなかったかと言えば、採択戦中であるがゆえに、同じ保守系教科書といわれている育鵬社を傷つけてはまずいこと、それに盗作箇所がどれだけあるかわからなかったこと、中には盗作と断定できるかどうか不明な箇所があるなどして沈黙していたわけです。採択戦終了後は、「つくる会」の公民教科書の執筆者であり、著作権の専門でもある小山先生が、盗作問題を徹底的に調べが盗作箇所50箇所あまりを見つけ、それをフジテレビの日枝会長や育鵬社の久保田社長など、育鵬社の歴史教科書関連者に手紙をおくり、盗作の事実を教え、謝罪をするよう促してしきました。

また会員仲間にも独自に手紙を関係者に送っている人もいました。私も育鵬社の歴史教科書の6人の監修者全員に二度手紙を書いています。しかしどなたも育鵬社側からのまともな返事をもらっていません。私たちの手紙が完全に無視されたのです。この育鵬社側の真摯のなさが我々「つくる会」の会員に与えた影響は大きい。今年の4月ぐらいまでは、この盗作問題について法廷闘争もいとわずの積極派と、育鵬社と喧嘩しては共倒れだとの慎重派に分かれていたと言っていい、それが育鵬社の真摯な姿勢のなさにほとんどが強硬派に転じていった。そして6月30日の総会では、「つくる会」の首脳部は、公式に育鵬社の盗作問題を社会に公表する決議を満場一致で可決した。

本が発売されたのは10月25日ですが、その前の10月19日と23日には「つくる会」首脳部は二度記者会見をしています。育鵬社が歴史教科書で盗作していることを公表し、同時に23日付けで「『盗作問題』解決のための話し会いの申し入れ」という文書を下記四人の方に郵送しています。
育鵬社社長 久保田栄一氏
執筆者代表 伊藤隆氏
日本教育再生機構 八木秀次氏
教科書改善の会 屋山太郎氏

記者会見後、朝日新聞社や産経新聞は、つくる会の発表をベタ記事として載せています。育鵬社側の言い分は、盗作をしていないという主張だけでした。10月31日には上記四者連名で「つくる会」の「盗作問題解決のための申しいれ」にたいする返書が送られてきました。彼らの文書は、最初の挨拶文を除けば、5つの部分からなっています。5つの部分に見出しを付ければ、次のようになる。
(1)不幸の事態の改善のための話し会いなら応じる。
(2)互いに切磋琢磨してこその教育再生の道。
(3)貴会の不当な非難にも隠忍自重してきた。
(4)「盗作問題」でも貴会の非常識な行動にも隠忍自重してきた。
(5)「貴会の申し入れ」から「盗作問題の解決のため」を削除したら話会いに応じる。

彼らの書簡を読んで私は、ものすごく腹がたってきた。彼らは盗作していないといいながら、なぜ盗作してないと言えるのか、説明できないのだ。名誉毀損に訴えるとも言えないのです。擁するに盗作以外のことなら話し会いましょうということです。私は読者に訴えたいのは、私たち「つくる会」の人間が怒るのは、盗作問題だけではないのです。「つくる会」は今年で設立15年目です。その15年間やりくりの連続でした。その中でも最大のピンチは、「つくる会」が、彼らに潰されそうになったり、乗っ取られそうになった事です。その時の育鵬社側ブログの数々は実にえげつなく「つくる会」や「つくる会」の人物を攻撃してきた。その時期、全国の会員が必死になって「つくる会」を支えてくれたのです。だからこそ「つくる会」は現在でも健在なのです。

私はその「つくる会」の15年の軌跡の本に書きました。原稿は出版社に現在あります。出版社は私みたいな無名な人間では売れないのではと思っているのか、あるいは私があまりにも赤裸々に書きすぎているのか、いずれにしてもまだ出版されていません。だからと言って出版を断られたわけではない。私は盗作の実体を暴露したこの本と同時に私の本が出版されていないのが残念でなりません。出版されていれば、育鵬社や八木氏一派の醜悪さが暴露され、この盗作暴露本とともに読者は驚くでしょう。私の原稿の登場人物の中から一人や二人、私を名誉毀損で訴えるかもしれません。私は法廷闘争でも戦うつもりです。私は、恐ろしいほどのあくどい事をしでかした保守知識人が、何の咎めも受けず知識人面して社会をのし歩くのを絶対に許すことはできません。本を自費出版する手もある。しかし私は、現在私の大作、「大東亜戦争は、アメリカが悪い」の英文原稿化の完成がもう間近、来年早々には英文印刷にかける段階です。翻訳代などにお金をかけてきたし、今度は印刷代にもお金がかかる。今は自費出版できないのが残念です。私は「つくる会」に命をかけているのです。「つくる会」は絶対につぶしてはなりません。「つくる会」は、日本真性保守の最後の砦なのです。

それではなぜ彼らは、謝罪をするどころか、「盗作」の話をしなければ話合うなどと強気でいられるのでしょうか。考えられる原因は、二つでしょう。一つはマスコミが全く騒がないこと。育鵬社の親会社であるフジサンケイグループが保守言論界の雄であるのも原因があるでしょう。しかし朝日や産経がベタ記事として載せただけと言っても、このベタ記事がある日突然大記事になる可能性もあるから、育鵬社側にとっては油断できないはずです。二つ目は、育鵬社が歴史教科書を出版すると公表した時、多くの保守知識人が育鵬社を支持した。育鵬社側に集まった保守知識人は、ほとんどが金儲け、名欲、権力欲だけで支持しているだけ。そこえいくと「つくる会」会員は、無名な市民、金儲けや、名誉、権力に関係ありません。ただ純粋に国の教育改善のために自分でお金を出し、自分の時間を使って無私無欲で働いているのです。育鵬社支持に集まった保守知識人とは、国を思う志が違うのです。彼らは、フジサンケイグループが恐いためか、育鵬社が大失態しても批判できないのです。そんな情けない保守知識人を一人紹介しましょう。

その人は日本政策研究センター代表、伊藤哲夫氏です。伊藤氏は、月刊誌「明日への選択」を発行しています。なかなか中身の良い月刊誌で私は定期購読しています。昨年の教科書採択戦を前に「明日への選択」(平成23年7月号)で育鵬社支持の意味で、育鵬社歴史教科書の監修者、伊藤隆氏(東大名誉教授)との対談を記事にしています。しかし「つくる会」支持の記事は書いていません。伊藤哲夫氏よ、育鵬社の歴史教科書の盗作の暴露本が出ていますよ、あなたの対談した伊藤隆氏は、紙上でえらそうな発言をしていましたが、現在では盗作責任者、伊藤隆氏或いは育鵬社を批判しないのですか、あるいは批判できないのですか。私はあなたの講演を横浜で聴きましたが、講演でえらそうな事を語っていても、なにも育鵬社を批判できないではないですか。「明日への選択」のなかで育鵬社の盗作事件の批判でも書いたらどうですか。それでも私は伊藤氏にお願いがあります。次回の採択戦では、育鵬社の宣伝をするなとはいいません。育鵬社の宣伝をしてください、しかし同時に「つくる会」の宣伝もしてください。今度、育鵬社だけの宣伝をして、「つくる会」の宣伝をしなければ、私は、「明日への選択」の定期購読をキャンセルしますし、定期購読者にキャンセルの呼びかけをします。

最後に大変重要な事を書きます。現在の日本社会は規律が非常に緩んでいると思いませんか。現在65歳ぐらいから上の年齢の人、ここ十数年日本社会の規律のタガが急に緩んでいることは同意するでしょう。なぜこれほどまでに緩んでしまったのか。その原因は色々あるでしょう。その大きな原因の一つは、マスコミの偏向報道にあると思っています。事件の中には、左翼も保守もなく社会的悪というものがあります。要するに誰がみてもこれは悪質な事件というものがあります。10数年ぐらい前までのマスコミは、一様に非難、批判し、責任者を追及してきました。ところが現在のマスコミは、偏向しているがゆえに、社会的悪事にも関らず、事件によっては見て見ないふりをしたり、控えめに批判したり、あるいはは逆に大げさに批判したりする。このような偏向報道がマスコミ自体の規律がくずれ、それが国民にも影響してくるのではないでしょうか。この辺のところはもう少し詳しく説明したいが、長くなってしまうので、二つばかし、規律のゆるみの例をあげましょう。

横浜市は大都市特有の保育園入りの入園待機児童が多い。従って職のない母親は、子供を保育園に入れられない。そこでその母親は、にせの就労証明書を一枚5千円で買ってくるのです。そいうにせの証明書を出す日本人経営の店があるのです。その店にゆけば非常に多くの種類の偽の証明書が手にはいると、NHKのクローズアップ現代で放映していました。現在はネットで本物がいくらでも見ることができます。だから模倣しやすいのだと言う。いずれシナ並みにあらゆる偽証明書が売られるのではないでしょうか。つい最近では大手スーパーのセイユーが医薬品の登録販売者試験で虚偽の証明書大量発行したことがばれた。都内合格者の8割が不正だといういのです。昔なら一流上場企業が、何百人にも虚偽の証明書など発行するようなことはなかったはずです。発行する方も、それを受け取る方も規律が落ちたことの証明でしょう。受け取る方も自分には受験資格条件を満たしていないことを知っているのです。

こういう時期に歴史教科書盗作事件が起きたのです。育鵬社は、盗作していないと主張しながら、なぜ盗作していないか言えないのです。名誉毀損だとも言えない。盗作していないと絶対に自信があるなら、当然この本「歴史教科書盗作事件の真実」の出版差止めの訴えを裁判所に提訴してくるのが当然でしょう。それさえもしないという事は、彼らは反論できないということです。47ヵ所の盗作、4万8千人の中学生が盗作教科書で学んでいる。
この事件は絶対に社会悪です。法的に罰せられなければいけない事件なのです。私が特に読んでもらいたい人たちは、自由社と育鵬社仲良くやれと主張する人たちです。この事件が何も世間的に問題にならずに終わるようであったら、もう日本社会の規律は崩壊してしまいます。お金であらゆる偽証明書が手にはいる時代になっていくでしょう。もう私たちは、韓国やシナをぱくり天国だなどと非難する資格がなくなってしまうのではないでしょうか。

皆さん、このブログ記事の転載、拡散ぜひお願いいたします。

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