映画「パンドラの約束」

まだ福島の原発問題が始まった頃の私の考えは、もう原発はいらない、但し既存の原発は、徹底して寿命年数まで使いこなし、その間に風力、地熱など代替エネルギーによる開発に全力を注げというものでした。一月ぐらい前ロバート・ストーン監督による映画、「パンドラの箱」を見た。私は、ロバート・ストーン監督というからてっきりオリバー・ストーン監督のことだと勘違いしていた。オリバー・ストーン監督は、「プラトーン」、「JFK」、「7月4日に生まれて」など数々の人気の高い映画を監督した人です。しかし映画「パンドラの箱」制作した人は、オリバーじゃなくてロバート・ストーン監督でした。
ロバート・ストーン監督は、1958年生まれのイギリス人で現在映画監督としてニュヨーク在住。彼の初期監督作品が反原子力映画「RADIO BIKINI」(ラジオ・ビキニ)で1987年米国アカデミー賞長編記録映画賞にノミネートされています。以来ロバートは、人生のほとんどを反核運動に携わってきた人です。その人が180度考えを変え原発賛成派になったのです。

彼の映画は原子力エネルギーを完璧なものとして描いてはいません。しかし統計を用いた現実的な姿勢によって「原子力発電所や火力発電所をなくし、エネルギー消費をなくしながら力強い経済成長を達成する」といった、環境保護運動家が主張する考えを見直すべきだと訴えています。彼は、原子力賛成論に転換した五人の人たちにスポットを当てています。スチュアート・ブランド氏(環境保護運動の巨頭)、リチャード・ローズ氏(ピューリッツアー賞作家)、グイネス・クレヴィンズ氏(ベストセラー作家・ジャーナリスト)、マーク・ライナーズ氏(気候変動に関する専門家)、マイケル・シェレンバーガー氏(環境活動家)。さらに、レン・コッホ氏、チャールズ・デイル氏など二人のさらなる安全な最新原子炉への挑戦にもスポットをあてています。
映画をみた所見は、映画そのもの技術的でちょっと理解できないところがあるが、私の最初からの意見、「福島以外の既存の原発は寿命がくるまで運転し続けろ、その間に代替エネルギーの開発に全力を挙げろ」はまともな、常識的な考えだということです。

私たち日本人は、きわめて大事な問題をどうも論理的かつ現実的に判断して解決していく能力に欠けているような気がしてなりません。情緒的な問題にとらわれ過ぎて、論理的、現実的に対処できないのです。その一番典型的な事柄は、現在の憲法ではないでしょうか。日本が独立を回復した時、現行憲法など廃棄、ないし改正されて当然だったのです。ところが現行憲法は平和憲法だとか、わが子を戦場に送ってはならないだとか、いわゆる情緒の問題にとらわれて過ぎて何もできないできたのではないでしょうか。現在の原子力発電も全く同じです、あまりにも情緒的な問題にとらわれすぎて停止しなくていい既存の原発を稼働させないのです。最近賑わした漫画、「美味しんぼ」の漫画家、雁屋哲氏は、この漫画の中で「福島第一原発に行った後、何故か鼻血が出る」と書いて大問題になった。雁屋氏は、「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」通称のりこえねっとの共同代表。共同代表には、上野野千鶴子、宇都宮健児、佐高信、村山富市、和田春樹等々左翼がずらり並んでいます。雁屋氏は「週刊金曜日」の常連投稿者です。その一つ「マンガ日本人と天皇」では「憲法から天皇条項が消えた時おれたちは本当の自由をつかむ第一歩を踏み出す」などとほざいている人間です。左翼の人間は、国民が敏感に反応する情緒問題に訴えるのが常套手段です。原発問題をこの情緒に訴えて国内に動揺を引き起こしていますと言うより情緒問題で引きずりまわされているような気がしてなりません。

現在、原発問題で一番売れている漫画は、竜田一人氏が書いている「いちえふ」です。「いちえふ」とは、1Fのこと、すなわち福島第一原子力発電所の通称です。竜田氏は、原発作業員ですから、原発ルポ漫画といえます。最初の文庫本は一か月20万部売れているそうです。私はこの漫画を読んでいないので彼の思想的背景はわかりません。原発廃止派のNHKは、「クローズアップ現代」で原発漫画の数人から彼らの意見を述べさせています。彼らによれば、現在原発の漫画数31だそうです。私に言わせれば漫画というものは、どうしても情緒的になります。原発即時撤廃論者は、漫画家を初め左翼主義者、小泉、細川などの政治家など、いわゆる全員がこの映画「パンドラの箱」を見るべきです。そしてもう一度改めて原発を論理的、現実的な観点から考えたらどうでしょうか。

私自身は、原発即時撤廃は、大反対です。しかし新しい原発をすぐ作れにも大反対です。既存の原発はこの先何十年も使えるのです。すぐ既存原発プラントを稼働させ、その使える寿命の間に色々なプランを実行し、開発、実験を重ねていくべきだと思います。新しい試みもなにせず、いつも論争するだけでは全く意味がありませんし、また除染作業だけを進めるだけでは、進歩も開発もありません。

映画のパンフレットに記載されている何人かの識者の声を挙げておきます。
1、 櫻井よし子(ジャーナリスト)
この映画には、福島の悲劇を克服して日本を元気にし、世界の人々に幸福をもたらす現実的な道筋が科学的に提示されているまさに、希望を与える作品だ。
2.三枝成彰(作曲家)
私は原発には否定的な考えをもっているが、地球環境問題への対応など、この映画が提起している内容は驚きで、賛成、反対の壁を越えてぜひ多くの人に見ていただきたい作品だと思う。
3.産経新聞 東京特派員
情緒的な感覚から反原発論者になるタレント文化人が多いなか、試写会で見る者には冷厳な事実を突きつけてくる。
即原発廃止論者よ、この映画を見た感想を言ってみろというのです。

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