80歳を迎える年の大気炎年始

皆様、おめでとう御座います。今年もよろしくお願い致します。
私は今年の8月1日で満80歳を迎えます。年寄の言葉に「80-20」という言葉があります。80歳になったらせめて自分の歯は、20本ぐらい持っていたいと言う意味です。ところが私は80歳になっても20本どころか全部健康な自分の歯を持つことはまちがいない。昨年12月には町田で講演をしましたが、一時間半の講演時間、椅子を使わず立ち続けで講演をしました。これなら90歳までは生きられる、それどころか現在は、人生100年時代。場合によっては100歳までもが決して夢でない。私の人生は不運な時代と幸運な時代とに極端に別れます。

一。不運な時代
私は極貧育ち、頭は並よりほんの少し良いくらい、特別な才能は全く何も無し、体力は並の体力、普通高校卒だけで社会に放り出された。結婚し子供三人育てている最中に離婚。家庭では両親が二人とも重病、病弱で老後の母の面倒みてもらうため叔母が同居。母死後、叔母も即入院。私が50代半ばまで家族の誰かがいつも病気だった。自分の健康の大切さを意識させられ、仕事でも遊びでも三日続けて12時過ぎの帰宅はないようにした。こうした私の人生は、絶えず戦うことを強いられた。人が5年かけてできるものは、俺は10年、あるいは15年かけてでもやってやる、そのためには健康で長生きしてやると心に誓っていたのだ。外資系五社を渡り歩き、愛社精神などひとかけらも無し、仕事への愛情も一切なし、ただあるのは強い金銭欲だった。夢もなかった。いや、夢はあった。株価高騰時代だった頃の夢だ。私が55歳頃には、三人の子供は完全に一人前だ。そこで自分で定年を55歳と決め、私費でアメリアカへ一、二年の語学留学し、そこで白人女性の恋人を持とうと決めた。一転株は暴落し、損はしなかったが大儲けしそこなった。消えた夢のかわりに再婚した。そして今年の夏とうとう元気で80歳を迎えることができるのだ。若いころ「長生きしてやる」が現実的なものになってきたのだ。ついに自分の出番がやっていきたのだ。
二。幸運な時代
サラリーマン生活、実働40年。長い、長い戦いであった。定年後一転して幸せな生活になった。再婚していたが、我が家から初めて病人がいなくなった。しかし定年後一、二年の間は時々悪夢にうなされた。辛い仕事の場面が夢の中にあらわれ、どうしたものかと自分自身がうなされ、ハット目がさめ、「夢だったのか、もう定年なので良かった」と安堵することが幾たびかあった。
自分の正義感で書いた長編歴史評論「大東亜戦争は、アメリカが悪い」が評判を呼び、縁もゆかりもない鎌倉在住の読者、渡辺昌明氏の資金と翻訳援助により英文化し、英文化出版に手を差し出してくれた茂木弘道氏により勉誠出版が紹介され、出版社倒産で市販されていなかった「大東亜戦争は、アメリカが悪い」が2015年に再出版されたことです。
読者から私の文章力をほめていただいたことはうれしいのですが、何といっても西尾幹二先生に直接褒められたことが天にも昇るような気持ちでうれしかった。私は子供の頃から学生時代も文章など書いたことは一度もないし、投稿したこともない、自分で文章を書くのは苦手と思っていた。それを西尾先生に言うと、先生は「文章というものはそういうものだ。文章を沢山書いてきたからといって、文章が上手になるとはいえない。いくら書いてもへたなものはたくさんいる。いきなり長文を書いても上手な人はいる」と言うのです。
人生とは不思議なものだ。定年なるまで自分には才能など何もなく、ただがむしゃらに努力を続けてできるのが才能みたいなものだった。私はこれまでに本を八冊出版しています。そのうち最近の二冊は小説です。小説を書いた実感は、他人の書いた本を沢山読んで書く歴史評論よりも小説書くほうが楽しい実感だった。自分にも書く才能があると実感できたのだ。人生とはわからないものだ。私に文才があることがわかって本当にうれしかった。
それでは100歳まで20年間になにをやるか。私が「えんだんじのブログ」を書き出して10年目に入っています。今年の10月で10年目が終わります。最初の一年間は毎週書いていて、その後は2週間おきに書き続け、現在投稿数286件。これを一冊の本にまとめて書きたい。そのあと次はやはり小説を書きたい。女性の一生を小説に書きたいと思っています。人生100年の時代。主人公の女性には老いらくの恋をさせるつもりです。執筆活動を100歳までつづければ、サラリーマン生活実働40年が最近書きあげた「えんだんじ・戦後昭和の一匹狼」だし、100歳でまた新しい自伝的小説を書き上げれば、執筆生活40年間の自伝的小説になり、私はサラリーマン生活40年、執筆生活40年、もじどおり私は二つの人生を歩んだことになる。これを目指して100歳まで邁進あるのみ。
三度目のベストセラーを狙う小説が、二度出版した小説のよう「二度あることは三度ある」と同じように失敗作になるか、「三度目の正直」のように三作目の小説がベストセラーになるか、私の人生最後の賭けになるのだ。幸運にめぐまれた定年後の生活、最後はハッピーエンドで終わらせるつもりです。

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1 Comment »

村田春樹 より:
2018年1月6日 4:22 PM
明けましておめでとうございます。いやはやお元気ですね。アメリカに行って白人とやりたい?さすがです、わたしゃ白黒両方です(^^;)
今年も御活躍を祈念します。

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