若い女性たちに告ぐ(その2)

読者の身内に若い女性がいれば、ぜひこのブログを見せてほしいと思います。このブログの転載、拡散を歓迎します。

選択的夫婦別姓
現在、民主党政権は、選択的夫婦別姓制度を柱とする民放改正案を成立させようと計画しています。現行民法は、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」(750条)とあります。すなわち姓の選択の自由は女性にも認められ、法律上での平等がきちんと実現しているのです。それでも夫婦別姓を主張する人たちがいるのは、三つの理由があるからだと思います。
1.法的には男女平等になっていても、現実には男性優位になっていると、左翼の女性やキャリアウーマンとして成功している女性の中には、そのことを極端に嫌う人たちがいます。例えば前法相の千葉景子は「法律には『どちらの姓でもいい』となっていながら何で98%も女性が変えざるを得ないのか。それも本当は問題だと語り、社民党党首福島瑞穂は、「私は男の人と女の人が半分ずつぐらい変えていたらこれほど違和感を感じなかった」(明日への選択、平成22年4月号)と言っています。実際には女性の社会的進出増につれて夫が改姓する割合が増えている現実を無視しているのです。それに法的に女性の姓を名乗れるようになっているのですから、たまたま男性の姓の方が多いいと文句を言ってみたところではたがとやかく言えるすじあいのもではないはずです。この二人は強力な夫婦別姓推進者です。

2.結婚後改姓によって職業上不便が生じる。
これは充分あり得る話ですし、理解できます。昨年結婚した私の姪は、仕事では旧姓を使い続けると言っています。自民党議員、高市早苗氏も旧姓で議員を続けている女性です。旧姓使用の現実生活について、彼女はこう語っています。「パスポートについては、併記が可能で、私のパスポートには、『ヤマモト(タカイチ)サナエ』と記載されていますが、運転免許証、健康保険証、印鑑証明は『山本早苗』と戸籍名のみで発行されています。」(明日への選択、4月号)彼女は、結婚前の旧姓をどうしても通称使用したいかたは、現在の戸籍に「旧姓通称使用の届出」の一行を加えるだけでの法改正で済むことと主張していますが、私も全く同感、賛成です。

3.家族軽視。
夫婦別姓支持者は、「家族軽視」などとは絶対に言いません。東北大震災で、家族の絆の強さが改めて強く認識されているからです。そんな時に家族崩壊をもくろむなど絶対に言えません。そこで表向きには(1)や(2)の理由をあげながら選択的夫婦別姓を主張しているのです。なぜ夫婦別姓が家族の崩壊につながる原因になるか説明しましょう。夫婦別姓も夫婦二人だけならあまり問題はないでしょう。しかし子供が産まれたら妻の姓にするのか、夫の姓にするのか決めなければなりません。子供の姓選びで夫婦げんかしないよう第一子を妻の姓、第二子を夫の姓としましょう。夫婦で姓も違い子供(兄弟姉妹)同士でも姓が違うのです。三番目が生まれたら、その子の姓はどちらを選ぶのでしょうか。これでは家族の絆は弱まることがあっても強まることはありません。妻の姓をAとしましょう、夫の姓をBとしましょう。夫(B)が先に死にました。妻(A)は、自分が死んだら当然夫のお墓に入ろうと思っていました。ところが夫の親族が反対しました。夫婦別姓を選んだのだからB家の先祖のお墓に姓の違う人は入れられませんと断られました。妻は自分のA家のお墓に入ることに決めました。子供たちは、お墓参りのとき、二箇所のお墓に行かなければなりません。両親のお墓がお互い近ければ問題ありませんが、遠ければ一日では無理です。結局母の姓を名乗った子供は、母親の墓参り、父親の姓を名乗った子供は父親の墓参り、これでは家族の絆は弱まるばかりです。そう思いませんか。少なくとも夫婦同姓には、家族の姓を決め、家族の絆を強める目的があります。夫婦別姓の目的はなんですか。何もありません。ただ自分の姓を主張したいだけの話でしょう。彼らの主張はナンセンスです。夫婦別姓を主張する人たちが、あまり表沙汰にしないで隠していることが二つあります。
(1)「選択的」夫婦別姓という呼び名
この「選択的」という言葉が曲者なのです。「選択的」と言うといかにも「同姓が否定されているわけではない」とか「夫婦別姓は選択肢の拡大に過ぎない」とか言って同姓派が反対する理由がないと吹聴していますが、これは恐るべき詭弁です。いいですか、夫婦は同姓ということは生まれてくる子供のことを考えて家族全員が同姓を使用すること、すなわち家族の姓、家族全体の姓なのです。夫婦同姓は、即ち家族を考えての性なのです。それに対して夫婦別姓は、家族のことを考えていません、あくまでも個人の姓で家族の姓ではないのです。従って親子で姓がちがうのは当然です。従って私のような夫婦同姓派は、家族としての姓に意味合いがなくなってしまうから、いくら選択的と言っても夫婦別姓など賛成できないのです。

(2)婚外子に相続権を認める
最初に触れましたように民主党政権は、選択的夫婦別姓を柱とする民法改正案を国会に提出しようとしていますが、あくまでも夫婦別姓は民法改正の中の一つなのです。その民放改正の中で選択的夫婦別姓と同じように女性にとって非常に関心がある事が改正案の中に入っていることです。現在の法律では、夫が妻以外の女性との間で生んだ子供(婚外子)には、夫の死後の財産相続権はありません。それを改正して婚外子にも実子と同等の相続権を与えようというのです。皆さんは、この改正に賛成しますか。夫婦二人で一生懸命働いて、それなりの財産を築き、夫の死後、夫に隠し子がいたことがわかりました。その隠し子が実子と同じ相続権を持つのですよ。「生まれた子供には罪はないから」しょうがいなわ、と言って同意できますか。こんなことが許されたら金持ちの夫は、若い女性にもてるようになります。子供を生んだらこっちのものだと。
選択的夫婦別姓を主張している人たちは、この民放改正にも賛成しているのです。ここでも彼らは、ある意味家族の崩壊を狙っているとも言えます。千葉景子は法務大臣の時、こう言っています。「結婚届けを出していようが、いまいが、女性がいて男性がいて、そこに子供がいれば、子供は本来同じ権利を保障されるべきです。それが婚外子差別の問題につながるわけです」(明日への選択 3月号)千葉景子は、結婚届など完全に無視し、彼女の頭の中には家族という認識が一切ないのです。夫婦別姓推進者は家族という共同体を一切認識しようとしないのだ。だから婚外子も家族の一員にしろと主張しているようなものです。そのうちに婚外子も同じ家に住む権利があると言い出すでしょう。

夫婦別姓の問題は、最近話題になったのではありません。数年前からありました。数年前のある日、私は、女房に「お前は、夫婦別姓についてどう思う」と問いかけました。その時彼女は、「私はあなたの姓が名乗れるのがうれしかったけど」となんのてらいもなく答えたものです。私の女房はもう年で昔の可愛げのある容姿は衰えましたが、年に似合わずこういう可愛げのあるセリフがよく出たものだと感動したのを思い出します。千葉景子や福島瑞穂に聞かせたい言葉じゃないですか。そこで皆さんに質問があります。こういう言葉を吐く女性を、皆さんはどう思われますか。こんな古臭いセリフを吐く女性がまだいるのかと軽蔑しますか、軽蔑とまでいかなくてもちょっと古すぎると考えますか、あなたがたが結婚する時、彼氏の名前を名乗れるのがうれしいと、そこまで考えることはないと思いますか。実は現代の若い女性も、私の女房のような考えもつことを知って、私はまだ日本の将来はすてたものではないと少し安心しています。実は、厚労省が平成18年度に婚姻に関する統計を発表しています。その世論調査によると姓が変わったことで「新たな人生が始まるような喜びを感じると思う」が(47.1%)最も高く、次に「相手と一体となったような喜びを感じると思う」が30.2%と続いています。「いままでの自分が失われてしまったような感じを持つと思う」がわずか9.9%に過ぎません。私に言わせれば皆さん方は、姓についてはまだまだ健全な考えかたをしていると安心しています。結婚し姓を決める時は、単に夫婦がどちらの姓に統一するのかを決めるのではなく家族の姓を決めるのだということを強く認識してもらいたいと思います。家族皆同じ屋根の下に住みながら、夫婦で姓が違い、親子で姓が違い、子供どうしで姓が違っては家族の絆が強まるどころかバラバラになる傾向になっていくことはさけられないでしょう。民主党政権は、擬似共産党政権です。彼らは、堂々と公表することなく隠れてあるいは表現をぼかして、日本の歴史、伝統を破壊しようとする革命政権と言っていい。本当に要注意の危険な政権です。

現在は家族の絆の強調されている時期なので、選択的夫婦別姓制度を含む民法改正法案が、国会に提出される可能性が低くなりました。しかし夫婦別姓制度、外国人参政権、人権擁護法案は、法務省がなんとしても成し遂げたい三大法案ですので、いずれまた、家族の絆の熱が冷めたころ夫婦別姓制度がまた頭をもたげてくる可能性がでてきます。要注意事項です。

次回の「若い女性たちに告ぐ」(その3)は、2週間後の4月21日(土)に発表します。話題は、「保育園育ち」です。是非次回も読んでいただけたらと思っています。

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10 comments »

terag3 より:
2012年4月7日 12:47 PM
えんだんじさん

まったく仰るとおりですね。選択的夫婦別姓などという民法改正は必要ありません。
女性の地位向上を目指すなどと如何にも理想的な格好良いことを言っていますが
それは正に日本の歴史、伝統、文化を破壊する何物でも有りません。

フクシマミズホ、チバケイコなどの甘言に引っ掛かってはいけません。
えんだんじさんが仰るように夫婦同姓は家族の絆を強めるものであり、女性もまた
結婚によって姓が変わることで新たな人生が始まる喜びが得られると言う人も多く
いる訳ですし、女性が仕事の都合で旧姓が必要であればそれは許されているので
すから選択的夫婦別姓などと言う法律を作る必要など無い訳です。

話は変わりますが先日、尼崎市教職員組合の連中が街頭で、国旗、国歌の義務付けは
世界の非常識、日の丸は侵略戦争の旗印だと言って日の丸反対署名運動をしていたとか
公務員の一員でもある人間が我が祖国の国旗、国歌を否定するなど、どちらが非常識かと
言うコメントも書き込まれている情報を読みました。

恐らく彼らは日本人では無いのでしょう。ことほど左様に夫婦別姓などと言い出す人間どもは
我が祖国日本を芯から破壊しようと企む極悪人だと決めつけても過言ではないと思います。

祖国は家族の集合体である。その家族を守るために命を投げ打って闘って下さった英霊たち
のお陰で、今の日本が有ることを忘れてはいけません。
選択的夫婦別姓などは絶対に反対です。

やましろや より:
2012年4月8日 1:38 AM
「URL」にブックマークさせて頂きました。

terag3 より:
2012年4月8日 9:40 AM
えんだんじさん

その後、ネットで検索してみましたら「家族つっこみ掲示板のつぶやき独り言」というのがあって
そこには嫁入りした女性の愚痴などが書かれていましたがこう言うのが有りました。

「結婚するって嫁ぐことですか、夫の妻になったが嫁になったという考えは無い。結婚する時
夫には私の方の姓になる選択肢もあるんだよと夫になる男に言ったぐらいだ」と書かれていた。

その他、昭和22年に家長制度廃止になっていますが、長男の嫁になったらその両親の老後の
面倒を見る事になることへの不満、自分の両親ならまだしも、嫁ぎ先の両親の面倒など見られ
ないという意識が有ること。

これら若い女性の現代風な感覚には家族と言う認識が余りにも希薄化している風潮が全国に
蔓延しているようで、それが核家族化へ繋がり、結婚しない男女が増えて少子化へも繋がって
いるのではないかという想いが込み上げて来て何か汚いものを見たような気がしました。

えんだんじ より:
2012年4月8日 3:03 PM
terag3

わかりますね。こういう若い女性がいるんですよ。自分ひとりで生きていけると思っているいのです。私は、石原慎太郎じゃないけど東北大地震は、日本人にあたえた天罰ですよ。そのききめがあったせいで家族の絆が見直されたじゃないですか。私は、もう一発ぐらい大地震があったほうがいいのではないかとさえ思っていますよ。生きていくには家族の力が必要だともっと多くの日本人が悟ると思うからです。

えいと@ より:
2012年4月9日 5:06 AM
はじめまして。
アメリカ在住の えいと@と申します。
私のブログの読者の方の紹介で、貴ブログを拝見させていただいておりました。

さて、この夫婦別姓法案。
これは女の私から見てもとんでもない法案であると認識しています。
結婚して夫と同じ姓になる。これのどこが男女差別なのか意味が分かりません。
ひとつの家族がひとつの姓を名乗る。子供もまた同じ姓。
これの何が悪いのか、左翼の考え方にはついていけません。

他の方のコメントに、
若い女性の現代風な感覚には、家族と言う認識が余りにも希薄化している風潮が全国に蔓延している、と書かれていますが、
その通りだと思います。
戦後の教育が、徐々に「家族のつながり」を崩して来たのだろうと思っています。
舅や姑を大事にしない若いお嫁さん達。
こういう風潮が蔓延しているのも、戦後の教育の賜物であろうと思います。

私もブログで、夫婦別姓について取り上げたことがあります。
「夫婦別姓で家族の姓をバラバラにし、家族は個人の集合体である」
こういった認識 ↑ を国民に植え付けるもの。
それが「男女共同参画基本計画」の正体であると考えています。
 http://eight-americann.seesaa.net/article/184326691.html

     えいと@

えんだんじ より:
2012年4月9日 7:06 AM
やましろさん

お知らせありがとうございます。

えんだんじ より:
2012年4月9日 8:50 AM
えいと@さん

コメントありがとうございます。
ほんとですねぇ。全く同感です。

mmm より:
2012年4月12日 6:01 PM
そうは思いません。

嫁いだら彼女は実両親と縁を切るのではありませんよね。女性は結婚しても実両親の老後を考えなくてはなりません。それは男性も同じです。何番目に生まれようと、すべての人が両親を気遣わなくてはなりません。これは努力義務ですね。

えんだんじさまは若い女性を批判してらっしゃいますが、彼女たちの多くは兄弟姉妹が少ないまたは一人っ子であることを理解していただけませんか。実両親を任せる相手がいない、または兄弟が経済的・精神的に頼りにならなければ当然女性も自分で自分の親のことを考えることになります。ぜひ、直接「若い女性」の見ている現実をご覧になってください。この現状を踏まえてこれについて保守的であろうとするのは、とても困難が伴います。

また、どちらの氏も変えなくてもよい事実婚や外国人との結婚は、ある意味日本の法律を見限った結果ではないかと思います。えんだんじさんの批判なさっている、氏を変えたくない女性は一部既にそちらに動いて既に結婚・事実婚をなさって結ばれているので批判するまでもないのではないかと思います。どんなに恵まれていても結婚しない人は結婚しないでしょうから。

そういえば…ひとつ尋ねたいことがあるのですが、他の国の家族や外国人と結婚した方の家族はみな姓がばらばら、子どもには両親の姓を交代で与えたりしていますが、彼らは家族崩壊していると思いますか?リア友に外国人が多いので、何となく気になりました。もしよろしければお答え願います。えんだんじさまが外国人をどのように見てらっしゃるのか興味があります。

えんだんじ より:
2012年4月12日 8:12 PM
mmmさん

私はむやみやたらと若い女性を批判したりしてはいません。(その2)をよく読んでいただければわかるはずです。姓はそこの国の伝統の反映だと思います。
今年アカデミー主演女優賞を受賞したメリル・ストリープというアメリカ人女優がいます。もちろんmmmさん語存知だと思います。アカデミー主演女優賞は2回目の受賞。
アカデミー賞にノミネートされた回数は17回とアメリカ映画史上最高。現在ではハリウッドを代表する大女優です。メリル・ストリープは芸名で、いわゆる通称です。
公式名は、ミセスメアリー・ガマー。すなわちミセスガマー夫人です。
夫のガマー氏は、彫刻家。結婚生活35年で四児の母。一番下は現在20歳の娘さん。ミセスガマー夫人の年収は、夫の何十倍、月とスッポンの差でしょう。子供たちの姓は全員ガマーです。
私は外国人でも日本人でもこういう女性が好きですし、また尊敬もしています。

mmm より:
2012年4月14日 12:13 AM
お返事ありがとうございます。

そうですか、感性の違いというものですね。

>姓はそこの国の伝統の反映だと思います。
そうですね…歴史の積み重ねとも言えるでしょう。でも、今は子どもが少ないのが普通(同じ世代で3人以上の兄弟姉妹がいる人と知り合ったことがありません)になっていますし、このままだと姓がどんどん減ると感じています。大事に保護されているはずの皇室でさえ、未婚の若い男子が1人しかいないと聞きます。この点については、どのように感じますか?墓が減って土地が空くのでとてもよい、と思いますか?人によってはそう思うらしいです。でも、氏は何かしらの歴史を伝えているものだから、できるだけ保存するのがよいと私は感じています。教科書に載っているだけでは寂しいものです。

私は祖先だけをあるじとする宗教には所属していない(ルーテル派)のでここまでの感性は持ち合わせないのですが、墓(祖先崇拝)の氏と娘の氏を重視するあまり女の子に対して(主に母)親が結婚しないように求めたり、結婚しようとしても姓を女性側の方にするように求めた結果男性がそれを拒否し、結婚の話を白紙に戻すようにすることがあります(これはえんだんじさん含め、多くの男性が氏を変えたくないと思っているという気持ちの表れだと思いますが…)。

詳しくは「墓守娘」「共依存」で検索してみてください。某墓守娘コミュニティに所属して悩みを打ち明けている人数は3桁を超え、数は相当数いるようです。これも氏に関わる現代の家庭環境を表しているのでしょう。40代・50代の女性にもそういった親(60-70代くらいでしょうか?)がいるから結婚できない、という人がいて、私も驚いています。彼女たちとやりとりしていますが、就職も結婚も友人関係も切られて、精神科に通っている人が大半です。私もされましたが、親に心中を持ちかけられればすべてを諦め切れないまま諦める人が多いでしょうね。私はあまりの不毛さに耐え切れず家を出ましたが。

長くなりましたが、読んで下さってありがとうございます。

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