保守知識人の皆さん、「改憲」でよろしいのですか?

このブログの転載、拡散をよろしくお願いいたします。
保守知識人の皆さんは、大東亜戦争はアメリカが悪いことも知っています。現在の日本国憲法がハーグ陸戦条約43条違反、すなわち国際法違反のもとで作成されたものであり、GHQによって強制的に押し付けられたものであることも知っています。要するにあなたがたは、現日本憲法に正当性が全くないことを知っているのです。その憲法が採用されたのが終戦2年後の昭和22年5月3日です。昭和27年4月28日に日本は独立を回復した。そのため本来ならこの現憲法を破棄して新憲法を作らなければならなかったことも知っています。それなのに、安倍政権のいまごろになって、何故保守の知識人たちは(ここで言う保守知識人たちとは、有名、無名の保守層のことです。)、まるで夢中になって「改憲」、「改憲」と言って騒ぐのでしょうか。私なりにその理由を考えると次の二点に限るでしょう。
1.現憲法廃棄は、現実的に無理。
もう70年以上使ってきて今更破棄は遅すぎて現実的にむり。
2.安倍政権健在中に改憲しておかないと改憲のチャンスがいつくるかわからない。

保守知識人の改憲論者にも消極的な改憲論者がいます。改憲しなくても自衛隊が持てた、また安倍政権の下で集団安保体制の法的強化もできた、今むりして改憲にはしる必要ないという意見の人も結構多いのです。私は現憲法絶対破棄論者ですが、今回は消極的改定論者と一緒になって今回の参議院選では改憲反対を唱えたいと思っています。

皆さんは、日本文化の特徴を一言で言えと言ったら、何と答えますか。私に言わせれば、それは妥協、迎合です。すべてにおいて妥協、迎合が歓迎されます。私みたいに信念の強い人は嫌われ、出世しません。現憲法に対して政府と国民は大変な妥協、迎合をしてきたのです。本来なら日本の独立後には新憲法を制定すべきだったのです。ところが日本は米政府と妥協、迎合し新憲法を制定しなかった。要するにその後の日本政府は、米政府に妥協、迎合よりももっとすすんだ「媚びる」態度に出たのです。妥協、迎合も行き過ぎて「媚びる」までになると弊害が出るのですが、しかしこの時期は成功していた。アメリカは戦後さらに発展し、世界の最大の大国になっていたからですし、また日本もまたその市場の大きさなどで経済的恩恵を受けていたからです。

しかしその後、日本は自首憲法制定すべき時がきたのです。日本が再軍備するときです。自衛隊が創立されたのが昭和29年。本来なら再軍備(自衛隊)を持つとき、憲法違反だから現憲法を破棄し、新憲法をつくるべきだった。再軍備のため新憲法を作るといえば米政府もOKしたはずです。ところが自衛隊は軍隊ではないと、階級の呼び名、戦艦、武器名などすべて旧軍時代の呼び名を変えた。不思議なことに、自衛隊は外国では軍隊とよばれ、日本だけ自衛隊と称しているのだ。国民に憲法違反だと主張されると、最高裁の裁判官は、「最高裁判所は、米軍基地の存在が憲法に違反するかどうかは高度な統治行為に属することであって司法の判断に馴染まない。」と言って憲法判断を保留しているのだ。自衛隊違憲訴訟はいくつもだされたが、いつも同じような裁判所の判断はあいまいのまま保留されつづけてきたのだ。要するに最高裁の裁判官は逃げて、判決を出さなかったのだ。いまの憲法も自衛隊も国家あげての妥協、迎合の産物なのだ。

その上に改憲したら、妥協、迎合の上にさらに妥協、迎合したことになるのだ。このブログの冒頭に私が主張したように、大東亜戦争はアメリカが悪い、現憲法は、ハーグ陸戦条約43条違反、すなわち国際法違反で作られたものです。このことを自民党議員の中にも国会ではっきり主張した者はいません。主張すると国会でつるし上げを食うから怖くて言えないのです。安倍総理もこいう発言をするつもりは絶対ないことがわかりました。こういう発言を堂々と言えない時点で改憲などとてもすべきではないことはあなた方保守知識人もわかっているはずです。ただあなたがたは、安倍さんに媚びているだけです。
安倍政権の限界が見えました。私も皆さんと同じように安倍さんをかっていました。いまになってみれば、保守教科書業界が「つくる会」と育鵬社に別れた時、安倍さんは育鵬社支持になった。その時が安陪さんとの別れ時だった。ところが未練がましく、私は安倍さんを支持してしまった。ところが従軍慰安婦問題でさらに10億円も払って韓国と解決を図ろうとしていること、終戦70年談話で安倍さんの力の限界が見えた。さらにそれを裏書したのが最近のヘイトスピーチ法案です。それをいまだに安倍さん、安倍さんと安倍さんを頼りにして改憲を叫ぶ保守陣営の人が多すぎます。

彼らの一番心配しているのが日米の良好関係の破たんです。戦後70年の現在、アメリカの力が一番衰えている時期です。アメリカが日米軍事同盟を破棄するぞと脅してくれば、それなら日本はシナと軍事同盟結ぶぞと言えば、それだけで十分。売り言葉に買い言葉。いままでの日本は買い言葉さえかけるのを躊躇していた。ある面それだけアメリカの力は巨大だったのだ。アメリカは今でも日本の軍事同盟国家です。私もこの軍事同盟関係維持は賛成です。しかし時代は変わったのだ。現在、ジャパンバッシングという言葉は完全になくなったと保証できませんが、現在は明らかに使われなくなりました。アメリカにトランプ大統領誕生が現実味を増しているのだ。いままでのように日本はアメリカのポチと揶揄されるような対米べったり政策を改めることが必要です。大東亜戦争史観は、日米政府間で違いがあることぐらいをはっきりさせておくべきです。戦後しばらくの間は、戦争史観の違いを公にすることは、難しかったかもしれない。しかし時代が変わったのだ。国会で自民党議員が、「現憲法は国際法違反、GHQによって強制的に施行された。」と自由に発言できるようにして、新憲法を作るべきです。

国会で自民党議員が「現憲法は国際法違反、GHQによって強制的に施行された。」と自由に発言できるようにするにはどうしたら良いか?現在のように政治は保守の天下、教育は左翼の天下では絶対に発言できません。教育界を変えるのです。日教組を潰すのです。「つくる会」の教科書改善運動だけでは、日教組を潰せません。共産党系の歴史先生たちがつくった「学び舎」の自虐史観書が名門国立、名門私立中学校、数十校に採用され、「つくる会」の教科書は徹底して差別され無視されているのだ。これでは「現憲法は国際法違反、GHQによって強制的に施行された。」と発言できる議員はなかなかあらわれません。どうやって日教組を潰すか?戦前の国定教科書の復活です。そんな事をしたら新憲法を作るのには時間がかかりすぎると言う人も出てくるでしょう。現憲法を70年間も使ってきたのだ、新憲法作るのにあと30、40年かかるかもしれない。私たち日本国民は、世界一古い歴史を持つ民族にもかかわらず、いまだに国民の力で憲法を作ったことがないのだ。国際法違反のうえアメリカ政府の強制で施行された現憲法、軍隊など持てないのに自衛隊と呼び妥協、迎合して軍事力をもった。その上さらに妥協、迎合して改憲したら、違法な憲法を合法化することになるのですよ。私は著名な保守知識人に呼びかけたい。安倍政権に媚びるな。自分が得になるより国家を優先して考えてほしい。いつまでも安陪首相を支持していると安倍総理以上の政治家が現れるのを邪魔している存在になりかねません。
私はただ日本国民の一人として、日本史上初の日本国民が作った新憲法をも持ちたいのです。これが誇り高い日本人のやることではないでしょうか。誇り高い日本人であるだけに、私は、現憲法の原文が英語であるだけに翻訳憲法に我慢ができないのです。新憲法を作ることは、私の生前にかなわないことかもしれない、それでもかまわない、目的に向かって突き進みましょう。

(註)私は日本文化の最大の特徴は、「妥協、迎合」だと述べました。「妥協、迎合」はお互い喧嘩せず、仲良くやっていこうという日本の平和文化の特徴です。また「妥協、迎合」には外国のものを容易に受け入れる美点もありあます。「妥協、迎合」があるから日本国内は諸外国に比べて平和的な歴史を繰り返した要因でもあります。ところが妥協、迎合にも弊害があります。妥協、迎合も徹底すると、「媚びる」形になり自主性がなくなります。現憲法はいわくつきの理由があり、しかもアメリカ人が作った憲法です。ところがその憲法を神聖化してしまっている日本人が多いのです。神聖化しているから、憲法改憲などというと、何も考えず即座に反対してしまうのです。平成20年に展転社から私が出版した「逆境に生きた日本人」(2,000円)は、日本人の徹底した妥協、迎合がどういう結果になったかを数々の例が示されています。在庫がありますので一冊1500円(消費税、郵送代込み)でお譲りします。ブログの「お問い合わせ」コーナーを利用するか、あるいは私あてにメールでご発注ください。
これは名著です。私の書く本は、皆ベストセラーに値するものです。しかし私の無学無名が災いしています。いまから8年前の私は今以上にごく、ごく無名でしたから売れませんでした。しかし実際に読んだ人は絶賛してくれています。だから御買い得です。
「逆境に生きた日本人」の中の一篇でソ連の日本人捕虜(6万3千人)が、全くのしらじらしいうそ、でたらめの美辞麗句を並べた一万6千語の手紙、題して「スターリンへの感謝状」を提出しています。これなど全く正当性のない現憲法を廃棄するどころか神聖化して、「現日本憲法にノーベル平和賞」をと画策している日本人が多いのと同じ現象ではないでしょうか。「妥協、迎合」の恐ろしいのは、ほっておくとここまで進むということです。

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5 comments »

勇馬眞次郎 より:
2016年5月30日 11:49 AM
このブログの愛読者の一人で、日ごろご意見に共感を覚える無名の保守です。現行憲法破棄論にも賛成、安倍首相への失望も同じです。ではどうすればいいか、ですが選挙では「日本のこころ」、日常活動ではこのような真正保守のブログの拡散しかないと思います。民主主義の国ですから世論を変えることした方法はありませんが、ポイントは「日本人有権者の殆どがWGIPの存在を知らない、洗脳の自覚を持たない」ことと思います。先日、大学のクラスメートの集まりで確認しましたが全員が知りませんでした。日本人多数が知れば日本は変わります。知らない状態を知る状態にもっていくには、ネット社会では、このようなブログ言説が重要な役割を果たすでしょう。日教組壊滅も外務省解体も夢ではありません。朝日、読売などのマスメディア支配を破壊することです。西尾先生がTEL Quel Japonを推奨してくださいましたが、在野の無名ブロガーはいくつか存在します。昔は「声なき声」だったのが今は「声のある声」となって誰でもアクセスできるようになりました。これらの声がネットワークで連携し拡散していけば世論を変えることが出来るのではないでしょうか。

外務省、宮家邦彦、岡崎久彦、岡本行夫らに共通する思想が安倍路線であり旧来の自民党政権の路線でした。私は彼らがこうなって仕舞う原因として、①それが彼らの生きてきた前提であり(留学や就職)、居心地がよく、この個人的快適さを変えたくないこと、②日本人の、特に武士の、伝統精神である「名を惜しむ心」「廉恥心」「名誉感覚」が希薄で、個人レベルでも国家レベルでも、現実的世俗的利益を平気で優先させる精神構造であることの2点が挙げられると思います。拙ブログで何度も繰り返し論じていますが、まさにGHQが目論んだ日本改造(WGIP)が生んだ申し子で、これが残念ながら我が国の本流です。

我が国の現在の最重要課題は経済再生、財政再建、原発、少子化対策などではなく、歴史戦によって国のインフラの最下層の基盤である「我が国の名誉と尊厳」が損なわれようとするのを防ぐことです。これが損なわれるリスクは目に見えず、それによって被る損害も容易には知られませんが、国の尊厳や威光が落ちることは領土を失うことよりも、津波や地震よりも、国家経済が破綻することよりも何より日本国民にとって恐ろしいことであり日本の自主と独立を根底から覆す結果となることは戦前までの日本人の常識でした。それを奪ったのがWGIPであり、かれらはその優等生であり、その快適な地位からはいま日本が国際社会において名誉ある地位を占めていないことが見えないのです。侵略国家の汚名を着たまま70年が過ぎ日本の真の主権は回復しないままであることも正視しません。

エンダンジ様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。

池田俊二 より:
2016年5月30日 8:02 PM
小生、このところ下らない用事で、珍しくも多忙をきはめてゐるため、本欄への投稿は当分控へるつもりでした。ところが、今回嬉しい記述に接し、一言だけ発したくなりましたーー

(一)勇馬さんのお説、蹴中、宮家邦彦・故岡崎久彦・岡本行夫らが提灯を持つ安倍路線についての分析はお見事!我が意を得ました。日本人の伝統精神を徹底的に踏みにじり、その上に胡坐をかいて安逸を貪るものです。正に、WGIPの申し子であり、今日の日本で真先に成敗すべき存在でせう。

(二)えんだんじさん、よくぞ安倍さんを見限つて下さいました。嘗ての安倍さんを、私は直接にはなんの運動にも加はつてゐなかつたにもかかはらず、懸命に応援しました。票にならない教科書、拉致などの問題に、この人は真剣に取り組んでゐる、かういふ政治家に是非大成して貰ひたいとの思ひで、仰ぎみました。
それが軽蔑に変つた経緯は省きますが、教科書の問題に精魂を込められたえんだんじさんの安倍さんに対する思ひは格別だつたことでせう。若い政治家にこれほどしつかりした、骨のあるのがゐる!恐らく、えんだんじさんにとつて希望の星だつたのではないでせうか。
教科書運動分裂後について、「未練がましく、私は安倍さんを支持してしまつた」と後悔されてゐますが、さうあつさりとバイバイできないのは当然です。日本人らしい優しさです。信義、報恩とでも言ふべきでせうか。

ともあれ、安倍さんは我々の希望・願ひなどを吸ひ取り、その全てをドブに捨て去つてきました。

以前、消費税について、安倍さんが堂々と「皆様に対してはつきりと断言します」と胸を張つた場面が
、今放映されてゐます。安倍さんが「断言」して、そのとほりに実行したことが一度でもあつたでせうか。そして、たとへば、○○談話をそのまま踏襲することはないと言ひながら、踏襲してしまつた際、謝罪したでせうか。
勇馬さんのおつしやる「廉恥心」を徹底的に欠いた男で、これまた邦家の為に成敗しなければなりません。

えんだんじ より:
2016年5月31日 1:08 PM
馬真次郎さん

初めてのコメントありがとうございます。ここにも私の考え方に同意同感してくれる勇士がいると
思うと心強さを感じます。ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

えんだんじ より:
2016年6月1日 1:16 PM
池田俊二さん

相変わらずのご支援感謝申し上げます。ありがとうございました。

諏訪田陽山 より:
2016年6月16日 9:44 PM
私の憲法観
1、大日本帝国憲法を復元する。
2、明日、復元するのではなく、5年間の猶予を置く。
3、その間に、各政党、各種団体は、理想の憲法案を作成し、国民に訴える。
4、5年後の総選挙に於いて、国会で多数を占めた政党・団体の憲法を、正式の憲法とする。

昭和憲法の悪いところ
1、アメリカ製の憲法であること。
2、国家統治権が国民にあること。アメリカが勝手に『国家統治権を日本国民に与える』という、権限を持っていなかったにも拘らず、勝手に主権を日本国民に与えたのは、強盗が百貨店主を脅迫し、財物を勝手に通行人に与えたのと同じである。正当性はない。天皇が国家統治権を持っているのは、摂政関白や、征夷大将軍を任命していることからも、解るであろう。
3、軍隊を禁じていることである。説明の用もあるまい。
4、国家の非常事態に対して、何の規定もない。だから法律もない。「もしも」の観念がない欠陥憲法。もしも大震災が生じて、外国系の集団が、集団で暴行略奪しだしたら、今の法律では手の付けようがない。夜間外出を制限する法律もない。戒厳令が出せない。へたに作ろうとすると憲法違反と騒ぎ、実際憲法違反であろう。

私の安倍観
1、いいと思う。
2、当然、えんだんじ氏らの切歯扼腕も十分理解できる。でも、100点の首相なんて、いないし、望む方が無理。
3、第1次安倍内閣では、防衛省昇格、教育基本法の改正、国民投票法の制定がある。今の内閣で思い出すのは、消費税を5%から8%に上げたくらいか? 
4、ちよっと調べた。秘密保護法制定。靖国神社1回参拝。集団自衛権限定容認。安保法案成立。慰安婦「最終・不可逆的に解決」。伊勢志摩サミットで、伊勢神宮の内宮で記念撮影。
5、安倍首相以上に「日本を取り戻した」首相はいない。上を見れば限りがない。反日の朝日新聞、毎日新聞が大新聞で大手を振っている情けない現状で、よくやっていると思うけどなあ。

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